2011年4月24日日曜日

「オーガニックチャーチ ガイドブック」 その3


 実際、始めてみると、親密な関係ゆえに、お互い傷つくこともある。また、始めの蜜月のステージから倦怠期やドライな時期を通らされることもある。教会を去る人も出るなど、バイオラの体験からリアルな面も紹介している。やはり収穫を待つ農夫のような忍耐深さも必要。主に取り扱われる謙遜さが必要としている。そう簡単ではないのだ。始めるのは比較的簡単、でも維持することは難しいと告白している。まさにオーガニックなので、人の成長に時間をかけねばならないし、エネルギーを要するのだ。


オーガニックチャーチのミーティングの内容。

1. ソングリーダー無しで、賛美する。(各人に与えられた賛美を大切にするゆえ、意図的にソングリーダーを立てない。これには異論がある人もいるだろう。バイオラはこの件に思い入れがあって1章費やしているがここでは深入りしない。)

2. 分かち合い。ライフストーリー、好きな聖句とその理由など。

3. 時折、みことばからのメッセージも必要。(特に教会が若い段階では)
(ただし、メッセージの後、皆での分かち合いを入れること。)

4. 一緒に食事する。食べることはファミリーイベント

5. 一緒に楽しいことをする。FUN お泊り会や、スポーツイベントなど。


これらは最近はやりのアルファを思い起こさせる。いずれにしても、これらの要素は大事であろう。やがて心の秘密まで話せる仲間となれば、それは魅力的なものとなる。それには時間がかかるし、徹底的にキリストを中心にする必要がある。

最後にこのように締めくくられている。「神の国は新しい種類のクリスチャンワーカーを是が非でも必要とされている。それは正直で、律法的ではなく、エリート主義でなく、分派主義でなく、宗教的でない、宗教ゲームをしない人。」アーメン。

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コメントお待ちしております。asktmc@gmail.com (栗原)まで、
TMCでは毎月土曜日に赤坂で、定例会を持っています。
東京を変革してゆくために、失われた魂にどのように届いて
ゆけるか、どのようにキリストの体であるクリスチャン
コミュニティを形成していったらいいのかについて話し合う
「場」を持っています。ご関心のある方はメールください。
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2011年4月17日日曜日

「オーガニックチャーチへのガイドブック」 その2


 バイオラは「教会=エクレシア」と宣教の働き、すなわちチャーチプランティングを

それぞれ違う働きとして分けている。これはローカルパスターと使徒(チャーチプラ

ンター)の区別にも通じる。使徒的ワーカーは1つ所に留まらず、巡回する働き人で

あり、文化の批判、福音の宣教、チャーチプランティングする者。働きの領域は1つ

の教会ではなく、その地方全体。教会は地域限定。教会はそこに定着し、生活する

コミュニティ。使徒は巡回者、旅人、開拓者、諸教会に仕える者。その役割区分を

理解していたので、新約の教会は使徒をコントロールしないし、使徒も教会をコント

ロールしなかった。しかし、チャーチプランティングの働き(教会ではなく、使徒的

宣教的働き)に関してはリードをとり、働きのチームを管理した。



家々で「教会」を始めるとき、キリストを中心としないと脱線してゆくことも警告

している。ただ単に家で集まれば聖書的な教会というわけではない。以下は

バイオラに言わせると真の教会ではない。


1. ある関心事(ホームスクール、終末論など)で集まるグループ。

2. 制度的教会でやってることをただ、家でやっている集まり。

3. リーダーの個性でひっぱるパーソナルカルト。

4. 個人の祝福だけを求める自己中心的な集まり。Bless me club.

5. 制度的教会から傷を受けた人たちの傷のなめ合い的、批判的集まり。指導されることを極度に嫌う人の集まり。

6. 単なるソーシャルクラブ。などなど。


それゆえ、神の永遠の目的、救いの歴史、聖書の全体的テーマを教えられる必要

がある。


ここからは実践的な話になる。ゼロからどうスタートするか?


1. オーガニックチャーチがこの地区に起こるよう祈る。

2. 伝道の賜物があれば、未信者と友達となり、伝道する。

3. クリスチャンの友人にオーガニックチャーチについての本を渡し読んでもらう。

4. それについて定期的に集い、ディスカッションする。

5. チャーチプランターを招いてリトリートをしさらに学ぶ。

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ゆくために、失われた魂にどのように届いてゆけるか、どのようにキリストの
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2011年4月10日日曜日

「オーガニックチャーチへのガイドブック」 その1



英題はfinding organic church – a comprehensive guide to starting and sustaining 

authentic Christian communitiesとなっている。「ペイガン クリスチャニティ」

で問題提起。果たして、現在、見られるような教会は新約聖書が言うところ

の教会だろうかと。研究の結果、今日の教会のあり方(建物を含めて)は

ほとんど異教やカトリックからの借り物で聖書的根拠がないことを示す。


次の「リイメージング チャーチ」で、それでは聖書が示すあるべき

「教会」の姿とはどんなものなのかを再イメージしてゆく。特に、

シングルパスター(1つの教会を牧会する1人の専門職フルタイムとして

の牧師)と儀式としての日曜礼拝を聖書には無い概念として批判してゆく。


そして、この「ファインディング オーガニックチャーチ」では、実際、

オーガニックチャーチをどう始めて、どうキープしたらいいのかについて

自分の体験も交えて語っている。本のはじめの部分ではオーガニックチャーチ

とは何かを確認する。それは、顔と顔とを合わせる、全員参加のオープンな

集いであり、階級的リーダーはなく、集いの頭としてイエス・キリストだけ

を中心に置く。それはライフスタイルであり、命なので、人々がイエスに

出会うことにより、自然に生まれるとする。当初、生活を分かち合う

コミュニティであった教会が、階級的なトップダウンの組織へと変貌して

いった。だから、教会の中心であるイエスキリスト以外の要素を取り除いて

ゆくことが必要であるという。新約の教会は以下のようにして始まった。


1. パウロは使徒(チャーチプランター)であったが、一人でやったので
        はなく、アクラとプリスキラなど多くのヘルパーに囲まれチームと
       して開拓した。

2. 使徒は平均、6ヶ月新しい信者と時間を過ごし、クリスチャン生活の
        基礎を教えた。儀式やルーティンに陥ることなく、人間的なリードに
        頼らず、キリストを中心とした全員参加のオープンな集いをどう持った
        らいいかを指導した。

3. 長くも3年(エペソのケース)教会の土台作りをすると、使徒はそこを
        去っていく。あまり説教が多すぎると、信徒の参加を妨げてしまうという。
  土台つくりが終わったら説教をやめて、そこを去る。

4. その後、必要に応じて訪問、励まし、問題への対処のガイドなどを
  するが、あくまで個々の教会の独立性を認め、「自分」の教会にしない。
  フランチャイズしない。意思決定はその教会の信徒にゆだねられている。
  使徒の目的は、「いなくなる」こと。


(つづく)
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2011年4月3日日曜日

「教会を再イメージする」  その4



パウロの手紙は牧師宛ではなく、教会あてである。(テモテやテトスは

牧師ではなく使徒仲間)パウロの手紙には「兄弟」という言葉は134回、

長老は5回出てくるが、牧師という言葉は1回しか出てこない。教会の

課題は教会全体(兄弟姉妹)で重荷を負ったのであって、一人の職業

牧師がしていたのではない。神のリーダシップのお考えは、ちょうど

三位一体がそうであるように、functional, relational, organic, and communal

初代教会のリーダーが支配的でないなら、当然、礼拝の仕方も私達が

今日見ているものとは違っていたという。


全ての人が神の声を聞けるなら、牧師の一方的なメッセージだけでなく、

もっと「お互いに」の要素があっただろう。バイオラは1)1教会に

1人の職業牧師 と2)儀式としての日曜礼拝を非聖書的と考える。

それにもかかわらず、結構ラディカルなクリスチャンさえ、この2つには

タッチしないと言っている。バイオラの結論はこの2つを止めること。

「お互いに教会」をはじめること。それには教会の「刷新」では間に

合わず、(あるいは、ハウスチャーチといっても、制度的教会でやって

いる礼拝儀式のミニ版を家でやるだけでは何も本質は変わらないとし)

教会革命が必要と提唱するのである。



第1世紀の教会は一つのシティに1つの教会であり、(コリントの教会、

エペソの教会)いわゆる教団はなかった。バイオラによれば、教会の

分裂は3Cに始まった教職者・信徒の分化から始まったとする。神学

教育を受けた専門家がリードする教会。専門に学んだ知識ゆえに、神学的

理由での分化が始まる。バイオラは教団は人の作ったものと宣言する。

職業牧師が導く教会、それは結局、誰々先生の教会となる。ある一個人の

牧師のミニストリーの延長となる。(当然、そこではその先生の

パーソナリティがものを言う)しかし、これは新約の「お互いに教会」

を妨げる。プロの教職者がいるだけで、即、信徒を受身にしてしまい、

自動的にプロに頼るようにさせてしまう。そういういう環境をつくって

しまうという。


我々も便宜上、つい、「ああ、あの○○先生の教会ね」と言ってしまうが、

これは、全く非聖書的である。唯一キリストの教会なのである。そして、

教会には権威者や階級制度はない。イエスは教会のあり方は、この世の

ありかたと逆行することを明白に語った。(マタ20:25-28)教会

のフランチャイズもありえない。1つ1つの教会はそこに集まった人たち

の個性でユニークなものとなる。


この本の最後には、よくある質問、反論への応答が聖書引用と共につけら

れている。今のところ英語しかないが、是非、一読をお勧めする。
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