2009年4月20日月曜日

キリスト教界のメガトレンド

「キリスト教界のメガトレンド」

筆者は21世紀を向かえるにあたって、教会論(教会とは何か)が
主なる課題となるであろうと直感した。2000年、淀橋教会で行
われた「東京断食祈祷聖会」の分科会にて「21世紀キリスト教界
のメガトレンド」と題して講演させていただいた。そのポイントは・・・


1.宣教の双方向性 

  つまり受け取りつつ出てゆく。宣教師が欧米から一方通行で送ら
  れるのではなく、アフリカから宣教師が東京やニューヨークに来る
  時代。またこれは、神学の西洋帝国主義からの脱皮をも意味する。
  今日神学はヨーロッパからアメリカさらにはアジア、南米と多極化
  しつつある。


2.教派的縦ラインから地域超教派的横ラインへ 
  
  つまり教派主義が薄れること。地域や都市を勝ち取る現場での
  パートナーシップが推進されること。AEマクグラスは現在、アメリカ
  では教派よりも、個人の好みで教会を決める傾向にあると指摘し
  ている。


3.中央集権的支配から現場での創造的なミニストリーへ。

  2に関連して、中央オフィスから現場の戦略をマイクロマネージ
  しないという意味。現場は現場にまかせる。宣教的には土着のやり方
  を重視する。


4.教条主義から社会的責任を負う、実践主義へ
  
  正統的神学を持つだけでは十分ではない。正統派と看板を掲げるだけ
  では十分でない。世はクリスチャンの実践を待っている。


5.組織としての教会から愛の生活共同体(コミュニティ)としての教会へ。
 
  つまりセルチャーチ的な賜物を生かしあうチームワークによるチャーチ
  プランティングの進展。


6.分派主義から聖霊による一致  

  一時のような福音派、カリスマ派のような対立の壁は崩され、一致に
  向かうであろう。聖書的には「聖霊に満たされた人」と「肉の人」の
  違いしかない。再び、聖霊の強調がなされるであろう。スピリチュアルな
  時代に霊に対する扱いが避けて通れない。


3.教職中心から信徒運動へ 
  
  講壇からマーケットプレイスへ。クリスチャンの影響は教会という
  建物の外へ。



を揚げさせていただいた。現状を見るとそのように動いている。AE.
マクグラスは「キリスト教の将来」の中で、20世紀最後の10年間は
「教会であること、教会のあり方」のいくつかの新しいモデルが急造
されたとする。彼はプロテスタント教派は本質的にヨーロッパの現象
であると前提する。そして、ヨーロッパ的伝統を受け継いだ、アメリカ
や日本にある伝統的「教会」が生き残れるのか?

さらにマクグラスはアメリカでは教派の強調は薄れ、人々は
「個人の好み」で教会を探すようになっているという。しかし、それが
人々を獲得しようとするキリスト教のマーケッティング化し、教会の拡張
のための商業的取り組みにつながっているという。さらにそれが、
キリスト教のマクドナルド化(効率、算定可能性、予測可能性、管理)
に発展していると。

信徒数がモノを言う、商業的教会に反発して起きてきたのが
コミュニティ教会であり、ハウスチャーチ、セルチャーチである。
数より深み(命)を強調している。さらに制度的教会に対して、キリスト
の生命体を強調するため、オーガニックチャーチという表現も
ある。

コミュニティを失った現代、人々は教会に真のコミュニティを
求めているのではないか? 
                          (次回へ続く)
 

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