4つの獣と統一世界政府
トンデモ話が本当になる(5)
多くの人は聖書は「宗教の本」、人の道を説く「道徳の本」と思っている。しかし、聖書が語るのは「世界観」「歴史観」であり、現実の社会、歴史と密接に連携している。そして聖書の中の多くの部分は預言である。その預言はイスラエル国家を中心に今後、世界がどうなっていくかを語っている。この時代は確実に黙示録の時代に近づいている。聖書の「トンデモ話」に現実社会が近づいていることを垣間見てみよう。
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人類2つの流れ
アダムが「知恵の実」を食べて以来、人類は「堕落」し、2つの流れが出来た。1つは、それでも神の恵みによって創造主を信じる群。もう1つは神を排除し、自分の力で(あるいは偶像=サタンに頼り)地を治めようとする流れ。同じ選民イスラエルの中にもこの2つの流れがあった。バアルに膝を屈めない7千人が残されたように、常に少数のレムナント(偶像を拝まない「残りのもの」)がいた。これは今も同じである。真の神を排除する流れは、意識せずとも「この世の神」に組みし、サタン=反キリスト勢力の支配下に入っていく。創造主への信仰を持つ者は最終的に「天」に回収され、反乱者は「火の池」で裁かれる。宇宙の主である神は、ご自分の世界の反乱者(ルールを守らない者)を処罰するのは当然だろう。(ユダ5−7)
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バベルの塔とバビロン
ノアの洪水の後、人類には新しい再出発が与えられた。神は再び人類を祝福して言われた「生めよ、増えよ。地に満ちよ。」(創世記9:1)しかし、人は高慢になり、バベルの塔を建て、「天に届く塔を建てて、名をあげよう。」(創世記11:4)と言った。これは神に対する挑戦である。人間の力だけで1つになることを神は警戒しておられた。(11:6)しかし、終末期には人間による世界統一政府が設立される。バベルの塔はその予表、シンボルであり、バビロンは常に、反キリスト的価値、偶像の総本山である。終末期には新バビロンが世界の政治、経済、宗教の中心地となるであろう。大バビロンは淫婦に例えられ、不品行と物欲の象徴となっている。(黙示17:4−5、18:3、18:11−13)人の命まで売買するのである。そして、ついに大バビロンは神の裁きに会い、倒れるのである。(黙示14:8、18:2)
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ダニエル2章の巨像と7章の4つの獣
栄華を極めたソロモンの時代の後、ユダヤ国家は北のイスラエル王国と南のユダ王国に分断され民は偶像礼拝に陥る。その結果、BC721北のイスラエルはアッシリアに捕囚され、BC586に南のユダはバビロン捕囚となる。連行された少年ダニエルはネブカデネザル王の下で役人として仕えるようになるが、ある日、バビロニア帝国のネブカデネザル王は奇妙な夢を見た。それは輝く巨像だった。
「その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももは青銅。すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。あなたが見ておられるうちに、1つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。そのとき、鉄も粘土も青銅も、銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場の身柄のようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。」(ダニエル2:32−35)
ダニエルはこの王の夢を解き明かし、今後、登場する帝国について解説した。この時点では、バビロンは栄華を極め、二重の城壁に囲まれ、ユーフラテス川の上に築かれた地上最強の都市であり、バビロンが征服されるとは誰も思っていなかったのだ。歴史上実際に起こったことを照らし合わせて見てみよう。
● 頭(純金)はバビロン(2:38)金はバビロンの象徴色。
● 胸と両腕(銀)金より劣る。両腕はメディア・ペルシャの合体王国を表す。
● 腹ともも(青銅)はアレキサンダー大王のギリシア帝国
● 足(鉄)強いローマ帝国 やがて両足のように東と西ローマ帝国に分裂。
(* 以上、4つの帝国は歴史上すでに現れ、この預言は成就した。しかし、預言は将来に及ぶ)
● 足と足の指(鉄と粘土)分裂した国 混じり合うが団結できない。(43節)
● 人手によらぬ石は神がもたらす御国、人間の帝国を全て打ち砕く。
これらはどう言う意味だろうか?次のダニエル7章の預言と照らし合わせると見えてくる。
ダニエル7章ではダニエル自身が見た夢を紹介している。4つの獣として描かれるが4つの像と同じく4つの王国のこと。(7:17)
1. 獅子 当時のバビロンは難攻不落の最強都市。バベルの塔があったという。
2. 熊 メド・ペルシャ 3本の骨=リディア、バビロン、エジプトを征服。
質は落ちるが領土的にはバビロンより多くを得た。
ペルシャ軍は「突然」現れ、バビロンは1日にして滅んだ。
3. ひょう 素早く征服したアレキサンドロス王のギリシア帝国。
4つの羽と4つの頭=帝国は4つの国に分かれた。イスラエルはセレウコス朝の管轄にあった。BC167 アンティコス・エピファネスによりエルサレムの神殿が汚され、ゼウス像が置かれ、常供のささげ物が止められ、豚が捧げられたという。これは終末の「荒らす憎むべき者」の予表である。なぜならイエスご自身、マタイ24:15で将来のこととして「荒らす憎むべき者」の到来を語っているから。これは終末に現れる反キリストである。
4. 第四の獣 ダニエルは第四の獣について「確かめたいと思った。」(7:19)
これには多重の意味があるからである。
1) 先ずはセレウコス朝を倒すローマ帝国
2) 終末に現れる世界統一政府
第4の国は1つの国。しかし「他のすべての国と異なり、全土を食い尽くす。」(7:23)1つの国であり、今までと全く異なり、全土を食い尽くす。ローマは地上全土を食い尽くしていない!
3) 10カ国による世界支配
しかし、「この国」から10の王が立つ。(7:24)つまり世界統一政府は長続きしない。巨像の「鉄と粘土」のように脆いのだ。結局、10の王による統治になる。この移行が、患難期前に起こる。
4) 反キリスト=獣の独裁による世界統治
初めは、10の王が反キリストに忠誠を誓う。(黙示17:12−13)しかし、患難期半ばに10の国のうち3つが獣に逆らうが、滅ぼされてしまう。後の7カ国は恐れて獣に従う。患難期後半の3年半は恐ろしい恐怖独裁政治となる。聖徒たち(クリスチャンとユダヤ人)を滅ぼし尽くそうとする。(ダニエル7:25)「滅ぼし尽くす」という表現は絶滅を意図している。
しかし、これで終わりではない。ダニエル7:26以降が2:34の「人手によらない石」に応答している。また9:27にも呼応している。つまり反キリストの滅びである。
最終的にはサタンは永久に絶やされる。(7:26)興味深いのは、御国(千年王国)では「国と、主権と天下の国々の権威とは、いと高き方の聖徒である民に与えられる。」(7:27)とあることであり、これは黙示録20:6「彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストとともに千年の間、王となる。」に呼応している。パウロが「御国を受け継ぐ」(エペソ1:11、1:14)また「わたしたちは神の相続人であり、キリストとの共同相続人であります。」(ローマ8:17)と言っているのはこのことである。
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世界統一政府への渇き?
疫病、災害、テロに対しての国際的協力体制、情報データの共有。異常気象による食料問題への対処としての「世界食料バンク」。飢饉、地下資源をきっかけに起こる戦争。それへの対処としての国連による世界の武器の管理などのアイディアが思索されるだろう。また、新たな価値観(家族観、LGBTなど性に関する見解、人は皆神の子、罪ではなく過ち、反宗教的原理主義、ヒューマニズム)に基づく「世界統一宗教」が現れるだろう。現在のローマ・カトリックや世界宗教者会議がベースとなるのだろうか?
いずれにしても、世界統一政府への渇きは現実的なものとして浮上するだろう。AIの発達で言葉の壁が無くなるだろう。バベルの塔の時のように、「彼らがみな、1つの民、1つの言葉で、このようなことをし始めたのなら、今や彼らがしようと思うことで、とどめられることはない。」(創世記11:6)の言葉が実現する。
しかし・・創造主を抜きにして創造する世界は崩壊するのだ。なぜなら人は罪人だから。罪の問題を解決しない限り、偽りの平和や人道主義はメッキが剥がれる。そして最後は恐ろしい独裁政治支配となるのだ。世界統一政府が崩れる。自然災害や疫病がひどくなると人々は救世主を求める。そこに反キリストなる人物が待ってましたとばかり登場するのだ。反キリストとて初めから威圧的に支配はできない。あのヒットラーも経済的に苦しい状況下のドイツで、民主主義的選挙で選ばれ、国民の支持を得て、「全権委任」されていく。人々が世界の問題を解決してくれる「救世主」を求めるようになり、反キリストが出現するお膳立てが出来てくるのだ。
この世界は結局、神の言葉である聖書が言う通りになっていく。
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重要なメッセージ
この時代は確実に黙示録の時代に近づいている。聖書の「トンデモ話」に現実社会が近づいている。人類は今後、歴史上最も困難な苦痛に満ちた時代を迎えると聖書は語っている。7年間の「患難時代」である。
その日は夜中の盗人のように来る。2020年の元旦に、誰が新型コロナウイルスの世界的感染を予期しただろうか? 気が付いてみれば大変な事態になっていた。そのように多くの人は、気が付いてみると大変な患難期に突入している事になる。
「主の日(患難時代)が夜中の盗人のように来るということは、あなたがた自身がよく承知しているからです。人々が『平和だ。安全だ。』と言っている、そのような時に、突如として滅びが彼らに襲いかかります。ちょうど妊婦に苦しみが望むようなもので、それを逃れることは決してできません。」
(Iテサロニケ5:2—3)
しかし、暗闇の中にいなければ、その日が盗人のように襲うことはない。光の子供、昼の子供(クリスチャン)であるならば、闇に迷うことがないのだ。事実、「神は、私たちが御怒りに会うようにお定めになったのではなく、主イエス・キリストにあって救いを得るようにお定めになったからです。」とある。(Iテサロニケ5:9)
つまり、患難期は「通らなくてもいい患難」だということだ。
首都圏直下地震、南海トラフ地震は今後30年で70−80%の確率と言われている。今日、天気予報で70%の確率で雨が降ると聞いたら、傘を持って出かけないだろうか? 今後30年で70%とは30年後に70%ではない。今後30年の間、毎日少なくも70%の確率であり得るということだ。当然、備蓄など防災対策をする。患難期は100%の確率でやってくる。聖書の預言が外れたことはないからだ。
みすみす、この災害を受けるのか、対策をして免れるのか?一人一人の決断にかかっている。
ガラテヤ3:26には「あなたがたはみな、キリスト・イエスに対する信仰によって神の子どもです。」また、ヨハネ1:12には「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。」とある。そして神の子どもであれば、この患難期を通過する必要がない。なぜならこの患難期は神を信じない者たちへの神の怒りだから。(黙示15:1)
戦争(患難期)前に、家族(クリスチャン)を本国(天)へ引き上げてくださる(携挙)のである。
患難期の苦しみは「産みの苦しみ」なのであって(ローマ8:22)苦しみを通して新しい世界が生み出されるのである。患難時代のクライマックスにキリストの地上再臨があり反キリストは滅ぼされ、悪の根源であるサタンは縛られる。そしてキリストご自身が直接統治するメシア王国(千年王国)が地上に成就する。(黙示録19章−20章)クリスチャンは復活の体(病気も老いもない!)に変えられ、そこに入る。結末はハッピーエンド。この世界は、そこに向かっている。
創造主が送った人類の救い主、キリストを信じ、罪赦された者はそこに入る特権を頂く。これを「御国の相続」という。クリスチャンはそこに入る約束として聖霊による証印を押されている。(エペソ1:12−14)クリスチャンたちもキリストと共にその国を統治するので(黙示20:4−6)、私たちは「神の相続人、キリストとの共同相続人」(ローマ8:17)と呼ばれている。これを「御国の福音」(マタイ4:23)という。
今こそ創造主に立ち返る時なのだ。創造主に立ち返らない限り、どんなに人が努力しても、地上天国は来ない。
「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また『何の喜びもない。』と言う年月が近づく前に。
(伝道者の書12:1)
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