2020年5月14日木曜日

イスラエル国家再建と聖書預言

イスラエル国家再建と聖書預言
トンデモ話が本当になる!(4)

多くの人は、聖書は「宗教の本」、人の道を説く「道徳の本」と思っている。しかし、聖書が語るのは「世界観」「歴史観」であり、現実の社会、歴史と密接に連携している。そして聖書の中の多くの部分は預言である。その預言はイスラエル国家を中心に今後、世界がどうなっていくかを語っている。イスラエルは「世界の時計」と言われている。人口880万の、この小さな国は建国以来、中東戦争等、世界のトップニュースとなってきた。先日、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館をエルサレムに移すというだけで大ニュースになった。

この時代は確実に黙示録の時代に近づいている。聖書の「トンデモ話」に現実社会が近づいていることを垣間見てみよう。
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イスラエル国家再建
患難時代前に起こること。それが「イスラエル国家再建」と「エゼキエル戦争」(エゼキエル38章)だ。


イエスが預言された通り(マタイ24:2)、AD70年にローマ軍のエルサレム侵攻により大多数が殺害され、国を失ったユダヤ人は97000人だけが命からがら世界へ離散した。それから約1900年間、放浪の民となる。彼らがパレスチナの地に帰り国を再建するなどトンデモ話だった訳だ。ある聖書学者たちは、もうイスラエルの再建は無いだろうと思い、新約聖書の「イスラエル」を「教会」と読み替えるいわゆる「置換神学」が登場したくらいだ。

しかし、聖書には離散されたイスラエル人が国々(1つの帝国ではない!)から連れ戻されることが書かれている。(エゼキエル20:34、20:41、22:15−16、)

「神である主はこう仰せられる。わたしがイスラエルの家を、散らされていた国々の中から集めるとき、わたしは諸国の民の目の前で、わたしの聖なることを示そう。彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与えた土地に住みつこう。彼らはそこに安らかに住み、家々を建て、ぶどう畑を作る。彼らは安らかにそこに住みつこう。・・」(エゼキエル28:25)

この預言は成就したのだ。19世紀末、パレスチナはオスマン帝国の支配下にあったが、その頃からイスラエル人のパレスチナ入植が始まった。彼らは不動産取引により土地を購入していった。(従って、そこに住んでいたパレスチナ人を追い出した訳ではない!)オスマン帝国も彼らの入植を制限しなかった。その後、パレスチナ支配は大英帝国に移る。第一次世界大戦からシオニズム運動(イスラエルへの帰還)がさらに盛んになる。英国は国連にパレスチナ分割決議案(アラブとイスラエル2国家建設の認可)を提案し、1947年11月29日に採択される。この当時、すでに米ソ冷戦時代。彼らが共に同意することは奇跡であった。このように、イスラエル国家は国連の認可の下、始まっている。この決議により、英国の委任統治は終了。その後、英国は手を引くが、アラブ諸国は反対したまま、1948年5月14日にイスラエル建国宣言がなされるやいなや、15日に、イスラエル独立に反対するエジプト、サウジアラビア、イラク、シリア、トランスヨルダン、レバノンのアラブ諸国連合がイスラエルに進撃。これが第一次中東戦争。


その後の3度の中東戦争でもエジプトは常にイスラエルと激しくやり合ってきた。しかし、ここで奇跡的転換が起こる。1978年3月、エジプトは反イスラエル主義を転換し、キャンプデービッド合意(イスラエル、エジプト和平合意)に調印した。その後、エジプト、サウジはアメリカ寄りに(ということは親イスラエル)、反イランに転換する。エゼキエル38章にはロシアがイラン、トルコなどと組んでイスラエルに攻撃してくることが預言されているが、不思議なことに、あんなに敵同士だったエジプト、サウジなどのアラブ諸国は含まれていない。攻撃するのはロシアと非アラブ・イスラム諸国なのだ。(これは次回詳しく書きます。)つまり、エゼキエル戦争(エゼキエル38章)の舞台が整いつつあるとも言える。

当時、60万人ほどの国家だったが、現在、888万人がそこに住んでいる。2018年にはイスラエル建国70周年が祝われた。1900年間、世界に離散したら、普通、文化、言語は住んでいる国と同化し、次第に民族性は失われる。しかも、元いた土地に戻り国を再建するという例は歴史上1つもない。奇跡は起こったのだ!
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 さて、ここでダニエル9章24節を見てみよう。エルサレムに関して70週の預言がなされている。背きをやめさせ(悪=サタン=反キリスト勢力の滅亡)から永遠の義が打ち立てられるまでが描かれている。25節からのところを簡単に説明するとバビロン捕囚時後期にエルサレムの再建命令が異邦人の王から奇跡的に発令され(ネヘミヤ2:6)神殿とエルサレムの街の再建が完成する。

26節、その後、メシアなるイエスが来られ十字架で命を断たれる。その後、AD70年にローマ軍によりエルサレムの神殿と街は破壊され、ユダヤ民族は世界に離散する(ダイアスポラ)。その間、パレスチナの地は荒廃する。ここまではすでに起こった事だ。

27節はこれから起こることについて預言している。

反キリストが7年間の平和条約をイスラエルの民と結ぶが、3年半経つと、その本性を現し、神殿でいけにえと捧げ物をやめさせ(ダニエル9:27)、自分を神と崇めさせるようになる。(IIテサロニケ2:3−8)最後はキリストの来臨によって滅ぼされる。

しかし、ここで重要なのは、この時点までにエルサレムが再建されるだけでなく、神殿が再建され、捧げものが捧げられているということだ。これは現在のエルサレムの状況を見るとあり得ないトンデモ話なのだ。現在はかつて神殿があったところにイスラム教のモスクが建っている。イスラム教徒が妥協するとは到底思えない。しかし、この奇跡も必ず起こる。反キリスト(前半の3年半は世界から称賛され、好意を持たれる人物)の政治的工作によって、イスラエルとの和平条約が結ばれ、これが実現するものと思われる。(ダニ9:27)現在、すでにエルサレム神殿再建財団(ゲルショム・ソロモン団長)が設立されている。

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聖書を字義通り解釈すると、イスラエル再建から患難期開始までの流れは次のようになる。

1)イスラエル国家の再建 最初は不信仰な状態での帰還。(エゼキエル20:
  33−38、37章、ゼパニヤ2:1—3)そして、患難期における信仰回
  復。(エゼキエル37:10、黙示14:1−4、黙示1:7)これは再臨
  と千年王国への準備となる。

2)エゼキエル戦争:北の諸国連合のイスラエル侵攻。西のパワー消滅。

3)世界統一政府 (ダニエル7:23)「第4の獣は地に起こる第4の国」
  この国は単数形なので1つの帝国。第4の獣は直近の成就としてはローマ
  帝国を指すが、ローマ帝国は世界全土を食い尽くしていないので、世の終
  わりの世界統一政府とも考えられる。

4)10の王国 (ダニエル7:8、24)世界政府は長く続かず、世界は
  10の国で統治されるようになる。

5)反キリストの出現 (I Iテサロニケ2:3、ダニエル7:24−25)
  もう一人の王が現れる。この王は患難期中期3人の王を打ち倒し、7つの
  国を従え独裁者として君臨する。不法の秘密は今も働いているが(IIテサ
  ロニケ2:6)、引き止めるものが除かれる(携挙)と出現する。彼の出現
  が患難期開始の印である。

6)イスラエルとの7年契約 (ダニエル9:27)ダニエルの70週の70
  週目(最後の7年)が患難期に当たる。反キリストは全世界からの信頼と
  好意を得た平和の使者としてイスラエルとの和平条約を結ぶ。この契約開
  始を持って7年間の患難期が始まる。しかし、それは3年半で破られる。

ダニエル7章23節からの流れは、世界統一政府、10の国による世界統治、反キリストの独裁支配、聖徒への迫害、反キリストの滅亡、キリストと共に生徒たちが統治する「御国」について書かれている。(ダニエル7:27は黙示20:6と合致)永遠の「御国」の到来は「終わりの日」に起こることなので、この預言は、これからのことと解釈するのが正しい。


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重要なメッセージ
聖書は預言の書である。人類は今後、歴史上最も困難な苦痛に満ちた時代を迎えると聖書は語っている。7年間の「患難時代」である。後半の3年半は非人道的恐怖政治で世界を支配する反キリストが出現。患難期に救われたクリスチャンたちは多くの迫害に会う。また、神ご自身も、ここに至っても神を信じない頑なな者たちへ怒りの災害を下す。あまりにもその被害が大きいので、それらはトンデモ話に思える。しかし、今回のコロナウイルス問題で世界の日常が短期間のうちに様変わりしてしまうことを体験している。世界は「まさか」という方向へ向かっていく。

この時代は確実に、その黙示録の時代に近づいている。聖書の「トンデモ話」に現実社会が近づいている。

しかし、「患難時代」は実は通らなくてよい患難なのだ。これは神の怒りの時。基本的には神軍団と反キリスト(サタン軍団)との戦争の時。戦争開始の兆候は敵国から自国の軍隊の家族や大使を母国へ引き揚げさせることである。クリスチャンは「キリストの大使」(IIコリント5:20)と言われている。戦争前に神はご自分の大使を母国(天)に引き上げるのである。これが携挙だ。(Iテサロニケ4:16—18そして地上は戦場となる。この戦いのクライマックスが「ハルマゲドンの戦い」だ。(黙示録15:14−16、19:19−21)ちなみに、これは再臨のキリストVS反キリスト軍団であり、人類同士の第3次世界大戦ではない!

ただ、知って頂きたいのは、この世の最終到達地点は「患難時代」ではないということ。それは「産みの苦しみ」であり、通過点なのだ。患難時代のクライマックスにキリストの地上再臨があり反キリストは滅ぼされ、悪の根源であるサタンは縛られる。そしてキリストご自身が直接統治するメシア王国(千年王国)が地上に成就する。(黙示録19章−20章)結末はハッピーエンド。この世界は、そこに向かっている。

歪んだ世界が正される。それはエデンの園の回復であり、そこではシャローム(神と人、人と人、人と被造物との平和)が訪れる。創造主が送った人類の救い主、キリストを信じ、罪赦された者はそこに入る特権を頂く。これを「御国の相続」という。クリスチャンはそこに入る約束として聖霊による証印を押されている。(エペソ1:12−14)クリスチャンたちもキリストと共にその国を統治するので(黙示20:4−6)、私たちは「神の相続人、キリストとの共同相続人」(ローマ8:17)と呼ばれている。

今こそ創造主に立ち返る時なのだ。

「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また『何の喜びもない。』と言う年月が近づく前に。
                     (伝道者の書12:1)


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