前述の有神論から自然主義への移行は1600年から1750年の間に起こる。その主張は・・・
1.神はいない。この宇宙(物質)がすべて。物質だけが永遠に存在する。
2.宇宙は、閉じられたシステム(超越者がいない)での因果関係で動く。
3.人間は複雑ではあっても機械であり、人格も何らかの化学作用によるものであり、やがて解明されるであろう。
4.死は個人の終わり。人間も物質にすぎない。死んで終わり。
5.歴史は因果関係により結びつけられた一連の出来事の流れであり、それを包括するような目的は特にない。
6.倫理は人間世界に限ったものであり、しかも、あまり重視されていない。
(婚前交渉、不倫、堕胎、安楽死、個人が選択する自殺などに好意的態度)
ラ・メトリーの「人間機械論」が、この時代の象徴的書物だ。神の代わりに人間理性を置く、世俗的ニューマニズムやマルクス主義なども、この範疇に入る。ここでは、神は「人間の願望の投射」に格下げされる。しかし、F.シェーファーが鋭く指摘したように、「神」の死は「人間」の死であることを認識しなければならない。つまり、神を殺した後は、「愛」「希望」「意味」「価値」「人間らしさ」などはアクセス不可になってしまったのだ。もはや、人間は機械でしかなく、因果関係による決定論でしかない。だから、これが次のニヒリズム(虚無主義)に転落してゆくのは目に見えている。しかし、そうは生きられないので、根拠無きヒューマニズム(愛は地球を救う的発想)に飛躍する。どうもがこうとも、なるようにしかならない。そして、すべてに対して冷笑的になっていく。意欲を失う。自殺か発狂しかなくなる。しかし、意味のない人生をあえて肯定しつつも、自分の取るアクションで意味を作ってゆこうとする流れが出てきた。これが実存主義である。(次回へ続く)
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お薦め本
「Reason for God」 By Tim Keller
ニューヨークでのベストセラーとなった、リディーマー教会牧師のティム・
ケラーによる著。現代に神を問う。現代人の投げかける質問に答えてゆく。
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