今回のロシアのウクライナ侵攻においては、砲撃戦プラス、サイバー攻撃というハイブリッド戦争となっている。砲撃戦で軍事施設を破壊し、サイバー攻撃で市民のインフラを破壊する。現代的戦争においては、サイバー戦やメディアのコントロールは、ますます大きな要素となってきている。2014年のクリミア併合時、ロシアは軍事侵攻前に大規模なサイバー攻撃を行い、ウクライナ軍の通信をダウンさせてしまった。2017年6月、「ノットペトヤ」と呼ばれるコンピュータウイルスを使ったサイバー攻撃が、ウクライナの政府機関、銀行、マスコミ、キエフ空港、通信会社、電力会社などを襲った。今年に入って、2月15日、ウクライナ国防省や軍参謀本部など70近くの政府のウェブサイトが「DDoS攻撃(分散型サービス拒否、ディードス)」と呼ばれる種類のサイバー攻撃を受け、一時ダウンしてしまった。(「DDoS攻撃」とは、対象のサーバーやウェブサイトに大量のデータを送りつけることで過剰な負荷をかけ、ダウンさせてしまう手法を指す。)ウクライナの不安定化とパニックを狙ったものらしい。このように地上戦の前に、サイバー戦がすでに行われていたことが分かる。
ウクライナのミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル変革相は、広告業畑出身のSNSのキーパーソンと言われる。ロシアによりインターネットがダウンさせられても、イーロンマスクに、衛生インターネットの利用を可能にするよう依頼したようだ。これにより、ウクライナの様子が世界に拡散される。これが大きな追い風となって、ロシア軍を手こずらせている。
Silent Invasion (静かなる侵略)
侵略はドンパチだけではない。他国に忍び込み、土地を買収したり、教育機関に入り込んだり、政治家を買収したり、静かに味方を作ってゆく侵略の仕方がある。オーストラリアでは中国による、こうした工作に気づいた大学教授クライブ・ハミルトンが「Silent Invasion」という本を書いた。副題は「中国のオーストラリア支配計画」。日本でも、そのような工作は相当進んでいるようだ。
国をひっくり返したければ、「メディア」と「教育」を支配することだ。独裁的な共産主義国家では、「思想教育」が常套手段だ。そのためには海外からの反対意見をシャットダウンして、一方的な国内情報を上から流すことだ。今、ロシアでは正に、これが行われている。それ以外の情報を「フェイク」と思わせる。情報コントロールの役割は大きい。サイバー世界でのせめぎ合いが行われている。ハッカー集団「アノニマス」がロシアの国営TVをハックして、政府が流したい情報を遮断したりもしている。
香港では、一時、100万人と言われた民主化運動デモも結局、制圧されてしまった。民主化の情報源である新聞社や出版社を取り締まったことが大きい。
香港ではこんなプロセスで反対派を制圧した。
● 香港内にいる親中派の動員。
● 民主派メディアの追放
● 国家的「権威」と「力」で反対勢力を抑え込む。逮捕、収監。
● 海外を断ち切る。海外と関係を持つ団体を弾圧する。孤立化させ、
反対意見を聞かせない。
こうして、50年という約束の「一国二制度」は事実上、破壊された。
高齢者の情報源はTV/新聞のみ
戦時下においてはメディアの統制は常套手段だ。日本でも、太平洋戦争の時、反戦思想は取り締まられ、「大本営発表」がまかり通った。あの当時は情報源はラジオと新聞しか無かったので統制しやすかったろう。今日でも、インターネットに親しみのない、高齢者の情報源はテレビ、新聞のみとなる。つまり、大手メディアの加工された情報しかアクセスしないので、メディアの良いなりになる危険性がある。「テレビが言ってるから・・」、「NHKが言ってるから・・」、「政府が言ってるから・・」、正しいに決まってるという論理になる。従って、当局にとってはコントロールし易い。一方、インターネット、SNSに親和性がある若い世代は、反対意見にもアクセスできる。ロシアで戦争反対派は圧倒的に若い SNS世代だ。彼らは、世界とつながることができる。自由に世界の情報にアクセスできる、自由に発言できることは重要なことで、それらが制限され始めたら、危機感を持った方がいい。
ファクトOr フェイク
ネット上には情報が溢れ、何が真実なのか見極めにくくなっている面もある。先の米国大統領戦でもメディアが2つに割れ、教会の中でさえ意見が2分された。同じような現象が、今日「ワクチン」においても起こっている。
今日の戦争は大部分がサイバー戦となる。フェイクニュースや画像を大量に流すだろう。情報は量なので、大量に流され、拡散されれば、フェイクでもまかり通ってしまう危険がある。今回のウクライナ戦でも、敵の攻撃で被災した哀れな女性の写真がアップされば、インパクトは大きい。しかし、それは今回の戦争とは関係ない、数年前のガス爆発の被害者だったりする。それでも「アップした者勝ち」となる。イラク戦争の時、アメリカがフェイク写真でイラクを悪者に仕立て上げていた。最近は写真加工技術が高度化され、ある画像を削除したり、画像を貼り付け、音を勝手に入れたりすることが容易になった。過去に行われた軍事訓練で、ビルの上を飛ぶ飛行機軍の映像に、救急車のサイレンを入れれば、敵機が襲来した戦時下の画像となってしまう。真実を見極めるのが難しくなっている。
ライフラインへのサイバー攻撃
サイバー攻撃の一番のターゲットになるのがライフライン。今日、全てが電化、デジタル化される方向にある。オール電化マンションなども登場している。スマート・シティ構想もある。人工知能がインターネットと繋がり自動化、ロボット化されていく。便利ではあるが盲点もある。全ては、インターネットにつながれたコンピューターで制御されるようになる。そうするとサイバー攻撃により、水道、ガス、電気が使えなくなり、さらにATMなど経済面にも影響が出る。街全体がダウンしてしまう可能性もある。原発がサイバー攻撃を受け放射能が漏れれば、大変なことになる。一元化された管理システム(デジタル管理社会)に進むことは止められない。それだけにサイバー攻撃の被害も甚大になる。先日は、トヨタがランサムウエア(身代金要求型テロ)に遭った。日本には原発が54基もある。日本はサイバーテロ対策が出来ているのだろうか?
サタンの戦略
これを霊的戦いに適応してみよう。同じ事なのだ。敵であるサタンは・・
● 正しい情報源「聖書」を遮断ないし疑わせ、人々がアクセスしないように仕向ける。
● 大量の偽りの情報を、メディア、エンターテインメントを通して広める。(無神論、進化論、魔術、LGBTなど)
● 親サタン派(サタンにつく者)を民衆の中に育てる。すでに多くが反キリスト的になっている。
● 親サタン派を動員してさらにサタンの領域(教育、文化、メディア、宗教など)を広める。まさに、サタンによるSilent Invasion.
● 空中の権威を持つ支配者、サタンは空中から彼らをコントロールする。(エペソ2:2)まさにサタンのサイバー攻撃。そして、この地上にサタンの傀儡国家(世界統一政府)を作る。患難期に一時的にこの「獣の王国」が成就する。残念な事に大多数は「獣」に従う。
● そのように準備しておいて、実際の砲弾戦は、ハルマゲドンの戦い(黙示録19:19)、あるいは、千年王国後のゴグ・マゴグの戦い(黙示録20:8)で起こる。すでに反キリスト軍が出来上がっている。もちろん勝利者は子羊キリストではあるが・・
「闇」と「光」の戦い。「神の国」VS「悪魔の国」という構図を忘れてはならない。この世で起こっている事象の背後には「霊の戦い」がある。サタンは意図的に大量にフェイクニュースを人類の頭脳に吹き込んでいる。この世の情報であなたの頭脳を満たす。聖書を開かせない。開いてもフィルターを付けて真実を見させない。事実、書店の聖書関係の本は、ほとんどはリベラル神学。聖書に興味ある人々をミスリードしている。インターネット上にもキリスト教カルト系の番組が出回っている。混乱を招いている。しっかり、聖書を学んでいないとうっかり騙されてしまう。
彼らの場合は、この世の神が、信じない者たちの思いを暗くし、神のかたちであるキリストの栄光に関わる福音の光を、輝かせないようにしているのです。
(IIコリント4:4)
イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません。
(ヨハネ14:6)
あなたがたは真理を知り、真理はあなたがたを自由にします。
(ヨハネ8:32)
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執筆者:栗原一芳
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