不信仰な状態での帰還
現在920万の人口を持つ裕福な国イスラエル。帰還したユダヤ人により1948年に設立されたが、霊的には不信仰な状態での帰還であった。未だ、イスラエルは国家としてはイエスをメシアと認めていない。霊的には2000年前イエスを拒否したままの状態なのだ。現在のイスラエルが神に喜ばれる「聖なる国民」なのではない。従って現在のイスラエルの指導者や、政治姿勢をそのまま是とすることもできない。
イエスは復活を信じないサドカイ派(世俗、政治)も、宗教的に厳格なパリサイ派(律法主義)も、どちらも退けられた。政治や宗教では神の国をもたらすことができない。また、ユダヤ人であってもサタンにひれ伏しこの世の富と栄華を手に入れている人もいるかも知れない。ユダヤ人がすべて聖徒なのではない。イエス当時のユダヤ人はアブラハムの子孫ゆえに自動的に神の国に入ると信じていた。しかし、イエスは生まれ変わりの必要を教えられた。(ヨハネ3:3)今のユダヤ人にとって必要なのは「悔い改め」すなわち、方向転換してイエスをメシアと信じることだ。十字架以降、「新しい契約」の時代に入っている。(ルカ22:20)「背きの責任」を人に負わせず、「和解のことば」が委ねられるようになった。(IIコリント5:19)人は恵と信仰により救われる。
グッドニュースは、最近のインターネットの普及により、オンライン上で新約聖書 (One for Israelなど) に触れ、福音を聞いてイエスを信じるユダヤ人(メシアニックジュー)が起こされてきていることだ。
大きな転換とアブラハム合意
近年、イスラエル周辺で大きな転換が起こっている。4度の中東戦争を経過するに当たり、中東各国はまずアラブ連盟を結成し、イスラエルへの対抗姿勢を示すことでは一致した。また、イスラエルや西側に対抗するために、汎アラブ主義に基づいて各国が合併や連合したが、産油国と非産油国の思惑は常にすれ違い失敗した。
第四次中東戦争以後、イスラエルとアラブ国家との本格的な武力衝突は起きていない。いくつかの大きな転換があったからだ。
● サダト(エジプト大統領)は、反イスラエル路線を転換し、1978年3月に
単独でキャンプ・デービッド合意(エジプト-イスラエル和平合意)に調印した。かつてアラブの盟主を自認し、中東戦争を先頭で進めたエジプトの大転換だ。
● 1979年にイランで起きたイスラム革命。イスラム原理主義による国政を目指
す勢力が、国王を国外追放して政権を握ってしまったことは、社会の近代化を進めようとするサウジアラビアなどのアラブの王国にとって脅威であった。1980年、アラブを代表して国境を接するイラクがイランとの全面戦争(イラン・イラク戦争)に突入した時、アラブ各国をはじめ、米ソもイラクを支援した。
● 1994年7月、イスラエル首相ラビンはパレスチナの国際法上の領主ヨルダン
との戦争状態終結を宣言し、10月にイスラエル・ヨルダン平和条約を結んだ。
● 2020年にはアメリカの仲介でバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、
スーダン、モロッコが相次いでイスラエルとの国交正常化に合意(アブラハム合意)。これに反発したハマスとイスラエルの軍事衝突が発生している。
つまり、イスラエルではなく、イランがアラブ諸国にとっての脅威となったのだ。シリア内戦時、アサド政権支配地が3割程度に縮小した時、ロシア、イラン、トルコが協力して政権をバックアップし、現時点でシリア領土の8割方を奪還。現在ロシアがシリアの制空権を有しており治安を守っている。また、イスラエルと国境を接するシリアにイランの軍事工場が置かれている。歴史的にイランはロシアと2度戦争し、土地を奪われている。トルコもロシアと12回戦争。これら3国が同盟を組むことはあり得なかった。しかし、今は、かつて敵同士であったロシア、イラン、トルコが軍事同盟を結んでいる。(写真)この同盟は「エゼキエル戦争」の中心的な軍事同盟だ。最近のこのニュースも気掛かりだ。「ロシア外務省、イスラエルを批判『ネオナチ政権を支持』」(朝日新聞デジタル国際・外交タイムライン 2022年5月4日)
「エゼキエル戦争」の舞台が整いつつある?
イランの憲法には、イスラエルの殲滅が記されているという。メシアニックジューのアミール・ツァルファティ氏のYouTube動画によると、イランはイスラエルに向けてミサイルを配置しており、ミサイルにはわざとヘブル語で「イスラエル攻撃用」と書いてあるそうだ。また、イスラム原理主義の予言では、今年の7月8日にイスラエルは消滅することになっており、テロが活発化しているという。以前、ガザからイスラエルへハマスによるミサイル攻撃がニュースになったが、今回は4月25日にレバノンからイスラエルの空き地にロシア製ミサイル2発が着弾。またイランからのイスラエルのサイバー攻撃が行われているという。アラブ諸国とイスラエルはイランを恐れている。アメリカの存在感が薄くなっている中、いわば中東版、「NATO」が必要という認識になってきている。
2022年3月27・28日、イスラエル南部のネゲブ砂漠のスデ・ボケルにイスラエル、バハレーン、UAE、モロッコ、エジプトの外相が集まり、地域安全保障を議論する多国間会議「ネゲブ・サミット」が開催された。米国のブリンケン国務長官も同会議に参加した。(公益法人中東調査会HP)
聖書(エゼキエル38章)ではロシアがイラン、トルコ、およびアフリカの非アラブ、イスラム諸国と連合してイスラエルに侵攻してくると預言している。それが2600年前に書かれていると言ったら驚かれることだろう。これがその預言だ。
「さらに、私に次のような主のことばがあった。『人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して言え。神である主はこう仰せられる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。わたしはあなたを引き回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。ペルシャとプテも彼らと共におり、みな盾とかぶとを着けている。ゴメルと、そのすべての軍勢、北の果てのベテ・トガルマと、その全ての軍勢、それに多くの国々の民があなたとともにいる。備えをせよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わりの年に、1つの国に侵入する。その国は剣の災害から立ち直り、その民は多くの国々の中から集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ出され、彼らはみな安心して住んでいる。あなたは嵐のように攻め上り、あなたとあなたの全部隊、それにあなたにつく多くの国々の民は、地をおおう雲のようになる。』」(エゼキエル38:1−9)
ここで地名を整理しておこう。
マゴグ:トルコ北のコーカサス山脈の北のエリア、すなわちロシア。エゼキエ
ル38:15「北の果てのあなたの国」とあり、エルサレムからまっ
すぐ北上するとモスクワを通る。北の果ての大国はロシア以外にあり
得ない。
メシェク:モスクワの語源
トバル:トボリスク(ウラル山脈の東、シベリアの首都)
ベテ・トガルマ:トルコ、アルメニア地方
ペルシャ:イラン
プテ:ソマリア
ゴメル:ドイツ (ゲルマニア)
現在、すでにロシア、イラン、トルコは同盟を組んでいる。ここにドイツが入っているのが意外だろう。しかし、シュルツ首相はロシアに対して煮え切らない態度をとっている。「ロシアは、ドイツにとって最大のエネルギー供給国である。英国の石油会社BPの報告書によると、2020年のドイツの天然ガス輸入量の内55.2%はロシアからだった。」(JB press 2022.5.2)欧米諸国のプレッシャーからロシアからの天然ガス輸入をストップすれば、国民生活に大打撃を被ることになる。国民の怒りが爆発すれば、手のひら返しが無いとは言い切れない。
最近、イスラエルでは油田が相次いで開発されている。イスラエルは魅力的な豊かな国なのだ。
あなた(ロシア)のあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。
ロシア連合軍は、経済事情ゆえに出陣せざるを得ない時が来るのだろう。(エゼキエル38:13)イスラエルが攻撃された時、今のウクライナのように、アメリカも、中東版NATOも直接関与しないのではないか。しかし、主は不思議な方法で敵を撃退する。(エゼキエル38:21−22)この不思議な勝利のニュースは世界を駆け巡るだろう。(エゼキエル38:23)
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さらに学びたい人に
「1日でわかるイスラエル論」中川健一著 ハーベストタイムミニストリーズ
「1日でわかる千年王国論」中川健一著 ハーベストタイムミニストリーズ
動画「アメリカには頼れないイスラエル」
講師:明石清正牧師 ■カルバリーチャペル・ロゴス東京
https://www.youtube.com/watch?v=u26GqPTQA14
Amir Tsarfati BREAKING NEWS
https://www.youtube.com/watch?v=Idj8yKg295k
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執筆者:栗原一芳
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