人間は「神のかたち」
王は反抗するものを処罰し、軍隊を指揮し、国を拡大し、国民に対しての命令やルールを設定します。王の命令となれば、従うのです。王はかなりの「権限」を持っていることは確かです。エジプトの王はイスラエル人を奴隷に使って巨大建築物を建設しましたね。王は、自分の願うように町つくり、国つくりもするのです。
神は「王の王」です。天地を創造し、その中に生き物を創造されました。世界を創造し維持しておられます。そして、神は被造物の頂点として「人間」を創造しました。
ユニークなのは「神のかたちに」人を創造されたことです。(創世記1:27)
この地上で「神のかたち」に創造されたのは「人間」だけです。また「神の似姿」(創世記1:26)とも書かれています。神の「そっくりさん」です。
これは大変なことです。私達は、神のように無限では無いけれど、「神」のような存在だということです。神は「王」なのです。私達も「王」だということです。少しはセルフイメージ上がりましたか?そうです。聖書はそう言っているのです。あなたは神の「生き写し」なのです。あなたを見て、神を知るように造られているのです。私達は神の栄光なのです。あなたはどれくらい自覚しているでしょうか?
知恵の実を食べた結果
王の役割を覚えていますか?そう国を統治することです。私達、人間はこの地球を統治する「神の代理人」なのです。アダムとエバはその使命を頂き、畑を耕し、動物に名前を付け、仕事を始めていました。順調にいったかと思いきや、喋るヘビに誘惑されて、統治の方法を神との関係の中で進めるより、自分の知恵に頼ることを選びました。「知恵の実」(りんごではない!)を食べたとはそういう意味です。
その結果は惨憺たるものです。エデンを追われてすぐカインはアベルを殺してしまいます。世界を治めるどころか、兄弟関係さえ治めきれず、世界最初の殺人を犯してしまいます。ノアの時代には地には暴虐が満ちている状態でした。地を平和に治める事に失敗してしまいました。神はこの世界を一掃し、ノアの家族にもう一度、チャンスを与えますが、ハムの子孫、ニムロデは神に挑戦するようなバベルの塔を建て、バビロンで異教の神々を生み出していきます。こうして世界には偽りの神々がはびこり、殺戮、暴虐、不正がはびこっていきます。人類が2回の世界大戦をやらかし、核爆弾を含む、多くの犠牲者を出したことは記憶に新しいですね。そうして、今まさに、世界経済フォーラムでは、神を無視した「グレート・リセット」を自分たちの知恵で行おうとしています。命の実=キリストを食べずして、知恵の実でやろうとする限り、歴史が証明するように失敗するのです。愛と正義による統治ではなく、最後は独裁と監視と圧力による統治となるのです。
「神のかたち」を作るな
十戒には「神のかたち」を作るな、とあります。どうしてでしょうか、すでに「神のかたち」を持った存在がいるからです。つまり「人間」です。その他に
「神のかたち」を作ることは必要ないし、それは偶像となるのです。
本来、「神のかたち」であり、神の代理人である人間が、正しくこの地上を管理、統治すべきなのです。それには「神の知恵」が必要です。この世界の創造者に聞かなければなりません。故障した時、製造したメーカーに持っていかなければならないでしょう。同じことです。今は人間関係も、社会も、国の関係も故障しています。的外れ状態(罪)です。これを正すには、まず創造主との関係を正すことからです。
ダビデとサウロは統治の仕方が全く違いました。ダビデは神に尋ねたのですが、サウロは「主に尋ねることをしなかった」(I歴代誌10:14)ので、イスラエルの統治に失敗し、神に退けられてしまいました。これが「知恵の実」の結果です。
「新しい人間」の役割
クリスチャンは、単に教会のメンバーになったのではありません。キリストを通して再び、創造主と繋がった者たちです。創造者の意図したオリジナルなプランが知らされています。御霊が与えられており、神の御心を知ることができる者たちです。キリストのマインドを持っているのです。(Iコリント2:16)
「王の王」と繋がりながら「王」として、王の代理人として、この地を治める者たちです。御霊によって生まれ変わった者たち(新人類)は新しい価値観(御霊の実)によって生きます。間違った人生観を正します。人生の目標は「神と人を愛すること」だと知らせます。エデンの外に生きる人々に、もう一つの世界があることを知らせます。愛と希望があることを知らせます。エデンに戻る方法を教えます。やってくる千年王国は、エデンの園の回復とも言えるでしょう。
神の代理として、王なる祭司(Iペテロ2:9)として神のプランを、この地に実践します。天と地をつなぐ働きをします。これこそ「御心が天になるように、地にも成させ給え」の実践です。神は私達を使うのです。私達がこの祈りの答えでもあるのです。エデンでは天と地は融合していました。神が園を歩いていたからです。今は分離し、この地は、空中の権威を持つ支配者(サタン)に牛耳られています。しかし、やがてサタンは滅ぼされ、千年王国では、私達が、キリストと共に「王」として統治します。(黙示録20:6)新天新地では天と地が再び、完全に融合します。ともあれその希望を持ちながら「今」は、この地上で「王の見習い人」として地を治めていくのです。
あなたがたは正義の種を蒔き、誠実の実を刈り入れ、耕地を開拓せよ。今が主を求める時だ。ついに主は来て、正義の雨をあなたがたの上に降らせる。
(ホセア10:12)
最終的には主が再臨し、義を持って地を治めます。だからと言って、今、何もしないのではなく、神の代理人として地上で「義」と「誠実」を実行し、耕地を開拓するのです。「耕地を開拓」とは人が手を入れ、さらに良いものに、実りあるものにするということです。そして、主を求めながら(主の知恵を頂きながら)開拓するのです。このことは、私たちの生活全領域に当てはまります。
地を治めるって?
まず、マインドセットを確認してください。まだ「奴隷マインド」ですか?それとも「王様マインド」ですか? あなたはもう「罪人」ではありません。死と罪の奴隷から解放されて自由にされています。(ガラテヤ5:1、ヘブル2:15)あなたは、「神の子供」(ガラテヤ3:26)です。「聖徒」です。神は私たちの味方です。私たちは神の側(ハレルヤサイド)にいます。(ローマ8:31)それなら、誰が私たちに敵対できるでしょうか?「自分はどうせ・・」と卑屈にならないでください。あなたは「神の似姿さん」です。そして、私たちは御国の相続人であり、キリストと共に共同相続人なのです。(ローマ8:17)御国を相続することが約束されている者だからこそ、今のこの地を正しく治める権利と責任があるのです。
具体的には何ができるのでしょう。
とりなしの祈り
まずは「王なる祭司」(Iペテロ2:9)として執り成しの祈りをすることができます。あなたは、天と地を結ぶ役割ができるのです。「イエスの御名」によって創造主に、祈り課題を持っていく特権が与えられているのです。特権を使ってください。この日本で、あなたが祈らなければ、誰が祈るのでしょう。総理大臣のため、天皇のため、都知事のため、大学の先生や生徒のため、メディア、マスコミのため、社会問題や家族のため、そして、日本にある教会のため、人々の救いのため・・・あなたは特権階級なのです。「王の王」に話ができるのです。
「神と人を愛して」日常生活をする
また、私たちが命じたように、落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くことを名誉としなさい。外の人々に対して品位をもって歩み、だれの世話にもならずに生活するためです。 (Iテサロニケ4:11−12)
パウロは一方で主の再臨を強調していながら、一方では落ち着いた「日常生活」をするように勧めています。これは大切なことです。神がこの地上で与えられた人生の時間の中で、仕事をし、結婚して子供を産み、育て・・家を建て、道路を作り、町を作り、人々に貢献していくこと。そのような日常生活を地道に生きることは神の栄光を表すことです。地を治めるとは大それたことではなく、「神と人とを愛して」日常生活をすることなのです。
仕事自体、神からの召しです。今は残念ながら職場は理想とは程遠い「的外れ」状態かも知れません。しかし、仕事や労働環境自体も将来、贖われるのです。その青写真を持って仕事をすると態度が変わってきませんか?
世界は「エデンの園」の回復に向かっています。日常生活をしながら、「もう1つの世界」があることを証ししていきます。
クリエイティブに生きる
「神のかたち」のユニークなところは「創造性」でしょう。人間はただ、衣服を着るのではなく、ファション性を重んじます。ただ食べればいいのではなく、さらに美味しく料理します。料理は立派な創造的活動です。素敵なデザインの建築、そして、街全体をデザインすることもできます。色々なスポーツを編み出し、能や踊りなどの身体的表現アートもあります。音楽、ストーリー、画像を見事に組み合わせた「映画」という創造的な総合芸術もあります。人々は常に新しいカルチャーを生み出してきました。クリエイティブに生きることは神の栄光を表すことです。創造主を反映させた生き方です。これも地を治める1つのあり方ですね。残念ながら多くの人は、肉に従って創作活動をしています。それによって承認欲求を得たり、自己誇示したりします。だからこそ、「今が主を求める時」なのです。本来の目的(神に栄光を帰す)に沿って才能を開花させていければ素晴らしいですね。
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参考資料
神の形 バイブルプロジェクト
https://www.youtube.com/watch?v=2MKGZd9myGI
意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
執筆者:栗原一芳