インドで起こる御業
最近、日本人牧師宣教チームが9日間に渡りインドに行ってミニストリーをしてきた。彼らの報告によると、9日間の統計は・・・
福音提示:419名
信仰告白:316名
受洗者 :201名
リーダー:23名
教会誕生:22教会
ある日、家庭で行われた求道者会で、27人中、伝道メッセージに応答して22名が決心、12名がその場で洗礼を受け、2つの教会が誕生した。1日でこんな事が起こっている。日本の現状を見た時に、同じ聖霊、同じ福音なのに、なぜ?と問いたくなる。
帰国後、参加者からこのような感想を聞いた。「違いは霊的土壌です。福音を受け入れる心の土壌が準備されているのです。だから誰が福音を語っても救われるのです。」こういう霊的渇きがすでにあり、求めがある状況では、あとは、福音をストレートに語ることだけなのだ。それだけでいい。それが効果的なのだ。
インドでそうだから、日本でも同じように・・・という訳にはいかない。外国での成功例を聞かされる度に複雑な気持ちになっていた。日本では福音を宣言する事(種まき)と、存在を持って証する伝道と両方必要なのだ。
やっぱり関係作り?
日本ではいまだに爆発的なクリスチャンの増加は見ていない。それどころか教会の「衰退」が言われている。大多数が福音に無関心だし、いきなり個人伝道しようとしても拒否されることが多いだろう。そこで、「関係作り」「信頼作り」という事が言われる。
宣教師たちは相変わらず「英会話」を用いて、あるいは「国際的な雰囲気」を用いて、人を誘い、集め、関係を築き、信頼を得てから福音を伝えている。宣教師が、公共の施設を借りて英会話をやる場合には「宗教の話はしません」とわざわざ言い訳しなければならないケースもある。それでも、なんとか人間関係を作ろうと涙ぐましい努力をしている。時間のかかる作業だ。地道だが、それしかないとも思われる。
職場や地元コミュニティでは「信頼」を得ることが大事になってくる。自分が救われて間もなく、通っていた教会で、岸義紘著「日本の信徒伝道はこれだ!」を使って勉強会をやっていた。その本にあった「存在で始まり」「関係で進み」「教会で実を結ぶ」が、今でも記憶に残っている。やっぱりこれしかないのかなとも思う。特に郊外の住宅地でゼロからチャーチプランティングをするなら、これなのだろう。
⚫️ 「存在」で始まり:あなたが職場に学校にクリスチャンとして存在することが伝道。
あなたがそこにいて、祈っていることで、すでに霊の流れが変えられている!
⚫️ 「関係」で進み:ノンクリスチャンと友達になり時間を過ごすことは立派な伝道。誕生
日にカードを送ったり、祝ってあげることは大事な伝道。家に食事に招いて、話を聞い
てあげることは「聞く伝道」
⚫️ 「エクレシアで実を結ぶ」:伝道はチームワーク。色々な人の証を聞くことはインパクト
がある。そして、人はコミュニティの中に救われる。(I ヨハネ1:1−3)救われるこ
とは家族体験でもある。
それでも種まきは必要
自分は高校生の時、地元の駅で配っていたHi-BAキャンプのパンフレットを手にしたことがきっかけで、キャンプに行き、福音を聞き、クリスチャンになった。なので、きっかけ作りになって欲しいとの願いから、今でも路上で福音トラクトを配布している。先日、山手線全30駅でのトラクト配布を完了した。これはこれで続けなければならない事だと思っている。これをCoverage (福音浸透、福音の種まき)と呼ぶこともある。イエスは1つ所に留まっていなかった。ニーズがあっても他の町村へ行ってしまったイエスの行動は興味深い。それは広範囲に福音を伝えるためだった。
彼を見つけ、「皆があなたを捜しています」と言った。イエスは彼ら言われた。「さあ、近くにある、別の村や町へ行こう。わたしはそこでも福音を伝えよう。そのために、わたしは出てきたのだから。こうしてイエスは、ガリラヤ全域にわたって、彼らの会堂で宣べ伝え、悪霊を追い出しておられた。(マルコ1:37−39)
自分は日本という地で、宣教団体スタッフとして過去40年間、宣教に携わってきた。アウトリーチで見ず知らずの人に個人伝道して10人に一人はイエス・キリストを信じる人が起こされることを見てきた。福音に応答する人がいない訳ではない。しかし、インドのようには、いかない。信じても、フォローアップで落ちていってしまうことも多い。それでも今でも路傍伝道に携わっている。種まきは必要だからだ。また稀に関心ある人がいて、路上で個人伝道できる場合もある。人通りの多い、駅前では、それなりにインパクトがあるのでは?と思わされている。
・・・では、どうしたら?
⚫️ 土壌の話に戻ろう。日本人の心が耕されるために、また日本を覆う霊的雰囲気が変えら
れるために、「祈り」(霊的戦いの祈りを含め)が必要だろう。神は風向きを変えること
ができる。これを「祈りの伝道」ともいう。
⚫️ S N S、メディア、路上、あらゆる手段で「福音の種まき」は継続されなければならない。
今後、人口が増えていく東京湾岸のタワーマンションは、従来の方法ではアウトリーチ
できない。インターネットの活用はマストだろう。
⚫️ 「存在で始まり」、「関係で進み」、「エクレシアで実を結ぶ」イベントに頼るより、一人
一人の信者はこのような意識で生活する。シンプルに神と人を愛して生きる。
⚫️ エクレシアが「良きわざ宣証共同体」として機能し、社会にインパクトを与える。
具体的には「子ども食堂」「被災地支援」「ホームレスミニストリー」など。やはり、地元から「浮いた」存在、「孤立した」存在では地元にインパクトを与えることはできない。地元からも喜ばれ、必要とされる存在となれれば理想だろう。初期のエクレシアは「民全体から好意を持たれていた」(使徒2:47)。福祉の発達していない時代に、福祉事業を担ったのはエクレシアだったからだ。(ガラテヤ2:10)
⚫️ 教会自体のビジネスモデルの変革。会堂中心・宗教儀式を中心とした「宗教」ではない、
キリスト中心の「コミュニティ」としてのエクレシア。いつでも、どこでも、誰でもが始
められる、人で繋がる「モバイル エクレシア」の方向性。宗教は敬遠されても、「命あ
る楽しいコミュニティ」は、高齢者、若者を問わず常に魅力的なのだ。特に都心では、
場所にこだわらない「人でつながる」エクレシア形成が鍵となるだろう。
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意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
執筆者:栗原一芳
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