ランダム伝道VSフレンドシップ伝道
80年代には、ランダム伝道(街に出て、声をかけて個人的に福音を伝える伝道方。とにかく個人伝道してみないと、その人が、興味があるかは分からないないから、知らない人にも声かけて伝道しましょうという趣旨。)VS フレンドシップ伝道(時間かけて、信頼ある人間関係を築いてから個人伝道すべし)という議論がありました。今となってはどちらも必要だなということです。私の属する宣教団体ではランダム伝道をよくしました。新宿、歌舞伎町でもやったことがあります。特に大学キャンパス内でよくやりましたが、ランダム個人伝道で救われ、後に宣教団体のスタッフになったり、牧師になったりした人も出ました。ですからランダム伝道も無駄ではないのです。一方、近隣や職場などでは信頼を築いて証することは大事です。
路傍伝道の是非
路傍伝道といえば救世軍でした。私が小学生の頃、家の近くを「ただ信ぜよ」を太鼓とラッパで演奏した軍服姿の一団が、通っていたのを覚えています。その頃はクリスチャンではありませんでしたが、あのメロディーは心に残っています。
路傍伝道においてもいろいろ意見があるでしょう。「そんな事やるとキリスト教のイメージが悪くなる。」と否定的な人もいるでしょうね。ただ、私の経験ではあまり伝道したことがない人ほど否定的です。路傍伝道もいろいろあっって、「神の裁きが来ます!」というニネベに遣わされたヨナのような「宣言」宣教をやっている人々もあります。印象は良くないのですが、宣教の中にはあのような「預言者的」側面もあるのでしょう。また、新宿アルタ前の交差点で、ファショナブルに白いスーツ姿で路傍伝道する人もいました。TVにも取り上げられ、それなりのインパクトがありました。
伝道方法はいろいろあります。コンサート伝道、英会話伝道、カフェ伝道、癒し伝道、文書、映画、スポーツそして、路傍伝道などなど・・。私としては全部やったらいいと思っています。日本では決定版の伝道方法はないのです。だから何でもやるしかないと思っています。「信仰は聞くことから始まる」(ローマ10:17)のです。雨の日に、びしょ濡れになって車のフロントガラスに張り付いているトラクトを読んで救われ、のちに牧師になった人の話を聞いたことがあります。何が幸いするか分かりません。とにかく福音の種を蒔くことです。自分の得意とする分野で、導かれるままやったらいいと思います。
最近、私が関わっている路傍伝道ネットワーク代表の菅野直基牧師は「一人の人を救うため、多くの人を敵にしない伝道」を強調しています。彼はにこやかに「お仕事、お疲れ様です。イエス様はあなたを愛しています!」と丁寧に優しく語りかけます。また、ミニコンサートをしながら聖書配布しますが、音楽もガンガンというよりメローで「癒し系」です。とても好感が持てます。しかし、メッセージは妥協せず語ります。賛美が流れる中で聖書配布すると霊的戦いの中で守られている感じがします。時に立ち止まって賛美を聞いたり、質問をしてくる人もいて個人伝道のチャンスもあります。最近は、このスタイルに賛同しているので、参加するようになりました。
路傍伝道での私の体験
以下は、私が今年(2021年)の夏から路傍伝道に関わってのリポートです。基本、聖書配布ですが、立ち止まってくれる人もあり、結構個人的に福音を語ることもできるのです。励ましとなるので少しお分かちしたいと思います。
-----------------------------------------------------------------
8月6日(金)中野駅北口
宣教師のチームと一緒にオリンピック伝道冊子を配布。中年女性が近づいてきて「どこの教会ですか?」と尋ねてきました。話を聞いてみると求道者で、時々教会にも行っているそうでした。その場で、福音の4つのポイントを話し、伝道冊子を手渡しました。「地獄は本当にあるんですか?」など質問され、シリアスな霊的会話もできました。「イエス様を信じて平安を持ってください」と言うと、笑顔で去って行きました。
8月13日(月)新橋駅烏森口
トラクトを配っていると創価学会の方が「伝道やめてください、あなた方が伝道するからコロナ感染が増えるんです!」と訳の分からないことを言われ攻撃されました。「南無妙法蓮華経を唱えないと滅びる!」と言われたので、私は「私の罪のために死なれたのはキリストだけです。十字架でなければ、私は、救われません。」と大胆に証できました。これもいい体験です。この日は霊的戦いが激しかったですが、その後、広島から出てきていた80歳のおじいちゃんが、菅野牧師から直接、福音を聞き、一緒に最後はお祈りできました。
10月15日(金)中野駅北口
選挙も近いので共産党の街頭演説が後に控えており1時間くらいしか出来ませんでした。無神論の共産党が機関紙を配布している隣で、「いのちの御言葉」バイブルを配布しました。最後は共産党の人に、私たちのチーム写真を撮ってもらいました。何とも奇妙な関係です。立ち止まって演奏を聞いている人がいました。元カントリー&ウエスタンバンドでヴォーカルをしていた人で、今は音楽ジャーナリストだそうです。幼稚園はキリスト教系だったとフレンドリーでした。私は、「イエス様は、あなたを愛してます!」とお伝えし、「4つの法則」をお渡ししました。最後には献金までしてくださいました。家に近くに教会があるそうで、牧師と挨拶する仲だそうで、教会に通ってくださることを祈ります。路上で見知らぬ人といきなり霊的会話ができるのも路傍伝道の醍醐味であり、楽しさです。今日も参加して良かったと思いました。
10月19日(火)浜松町
無料バイブルを配布しましたが、ほとんどの人は自分には関係ないものとして無視して通り過ぎていきます。「笛を吹いても踊らず」というイエス様の心境が分かる気がしました。毎回、不思議な出会いがあります。15歳の時、長崎の教会に行っていたという方と個人的に話ができました。賛美歌が懐かしいと立ち止まり聞いていました。知的障害のある方で、今は横浜で生活保護を受けているとのことでした。路上で彼のために肩に手を置いて祈りました。一番恵まれるのは自分です。自分の心が満たされて、また参加したくなります。
11月10日 田町駅
一人で15冊以上バイブルを手渡せました。(厳しい時は2時間で2冊!)数名は「ありがとうございます。」と言って丁寧に受け取ってくれました。今日は未信者の方に個人的に福音を伝えられるよう祈って参加しました。そうすると一人の女性が聖書を受け取ってからページをペラペラ開いて戻ってきて「聖書って難しいんですか?」と聞いてきたので、福音の4つのポイントを路上でお話しできました。終わってから半年くらい前の路傍伝道で信じたと言うKさんと挨拶しました。話を聞いてみると信仰の確信が無いので「4つの法則」を読んで説明し、イエスを救い主として信じるお祈りに導きました。「イエス様は決してあなたを離れることはないんですよ」と励ましました。最後は彼も一緒に「ハレルヤ」三唱しました!
12月13日(月)自由が丘
いつもは都心ですが、今回は郊外。やはり雰囲気が違います。午後3時からということもあり、のんびりした感じがありました。大学生、高校生も多いです。今回は漫画聖書(Mission)を配布しました。夕方になると下校時の小学生がたくさん通りました。マンガ冊子ということもあり、興味を持ってくれて、多くの子供が手にしてくれました。私個人も40冊近く配布できました。子供が福音に触れてくれることは大変嬉しいです。
12月24日(金)小田急線経堂駅
総勢3名のチームでしたが、クリスマスイブに伝道できて感謝でした。郊外ということもあって都心より反応が良かったです。個人的に10冊ほど聖書を配れました。バス乗り場で列をなして待っている人達の目の前で菅野牧師がクリスマスソングを歌い、ショートメッセージをしましたので、彼らはメッセージを聞かざるを得ない状況でした。でも好意的に受け取ってくださったようで、投げ銭までしてくれる方が数名いました。駅前にクリスマス賛美が響いて、いい霊的空間が作られていました。
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは
御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためで
ある。」 (ヨハネ3:16)
=====================================================
意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
執筆者:栗原一芳