聖書が分かるようになる7つの視点
1. 聖書は世界観、歴史観を提供している。
2. 聖書66巻は「救いのストーリー」
3. 聖書を解く鍵「神の国」
4. 新しい契約(新約)の理解
5. 福音書の分水嶺ベルゼブル論争
6. 聖書の背景、文脈を大切にして読む
7. ヘブル的背景を理解する。
今回は7つのうち1と2を取り上げます。
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1. 聖書は世界観、歴史観を提供している。
聖書は単なる道徳の本ではありません。聖書は私達がどんな存在で、この世界はどうなっていて、私達の立ち位置はどこなのかを教えてくれます。世界観とは「私はどこから来て、どこへ行くのか?」「この世界はどうやって始まり、どこに向かうのか?」「悪はどう始まり、どう処置されるのか?」「人は死んだらどうなるのか?」などを扱うものです。聖書によれば、人は偶然の産物ではなく、神がご自身の似姿に造られた傑作品です。神に愛されている存在です。この観点は、その人の人生を大きく変えます。
また歴史観には、この世界は、どんどん悪くなり最後は滅亡するという「悲観的歴史観」、逆に世界はどんどん良くなり地上天国が実現するという「楽観的歴史観」があります。聖書は「悲観的楽観論」です。人の罪ゆえに世界は悪くなりますが、キリストの来臨で悪が滅ぼされ、義と平和と愛が満ちる「御国」が到来するという史観です。その意味で聖書預言を学ぶことは聖書的歴史観を身につけるのに大変重要です。
2. 聖書66巻は「救いのストーリー」
創世記から黙示録までの66巻は「救い」の物語。物語には「起承転結」があります。聖書にも始めと終わりがあります。4つのポイントにまとめると、「創造」「堕落」「回復」「完成」です。神は世界を調和(シャローム)ある良きものとして創造されました。始めから今のような悪の満ちる世界ではありませんでした。反抗者サタンが神の最高傑作である人を誘惑し、罪を犯させ、堕落させたのです。罪は全人類、そして被造物世界にまで及びました。神はメシア(救世主)、イエスを世に遣わし、十字架で罪の贖いをさせました。それは同時にサタンの敗北を意味します。贖いのワザを成し終えイエスは復活し、昇天しました。イエスは再び来られ、サタンとその勢力を滅ぼし、御国(地上の千年王国、それに続く永遠の新天新地)を確立し、救いの歴史は完成するのです。
聖書には、目に見えぬ世界での戦い、すなわち「霊的戦い」、光と闇の戦いというテーマが貫かれています。地上で起こる歴史的出来事の背後には霊的な戦いがあるのです。ヨハネの福音書1章は、創世記1章を彷彿とさせますね。ヨハネの福音書は特に「光」と「闇」の戦いを強調しています。神は光ですが、今の時代は「闇の王国」も同時進行しているのです。敵であるサタンが活動中で、いわば戦闘状態なのです。(Iペテロ5:8)だからクリスチャンは、この「霊の戦い」のため武装するよう勧められています。(エペソ6章)闇の勢力は人の思いを暗くし、福音の光を輝かせないようにしています。(IIコリント4:4)まさに闇の役割ですね。しかし、光の勝利は約束されています。ヨハネの結論はこうです。
「この方(キリスト)にはいのちがあった。このいのちは人の光であった。光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。」
(次回に続く)
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執筆者:栗原一芳
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