TMCエクレシアは「意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ」を目指しています。ここでのスモールグループとは「キリスト中心のコミュニティ=エクレシア」という観点で話を展開していきます。
今後、スモールグループのファシリテーターを考えている人や、すでにやっている人に、私達の体験からお話しさせて頂きます。
喋りすぎない!
牧師、宣教師などメッセージをすることに慣れている方々にはチャレンジです。
しかし、これを守れない人はスモールグループのファシリテーターとしては相応しくありません。
会話を独占しない。いかに、喋らないか、いかに他の人に喋らせるかが「鍵」なのです。
それは他のメンバーに対する「愛」でもあります。自分が会話を独占することは、他の人の会話のチャンスを奪っていることでもあります。熱心な人ほど長く話してしまう傾向があるでしょう。説教を始めるのは最悪です。スモールグループでは他の人を生かすことにフォーカスすべきです。「一回分は短く、しかし何度でも発言できる」をスモールグループカルチャーにしましょう。「全員参加型」を目指しましょう。そういう私自身もいつも誘惑です。自分の知っている聖書知識を「教え」たくなるのです。もちろん、適切にティーチングを入れることは必要です。しかし、スモールグループでは、「お互いに」がキーワードです。ここが「集会」と大きく違うところです。
「スモールグループ」は「集会」ではない!
単に場所を変えて「家」でやればいいのではないのです。スモールグループは「家庭集会」ではありません。根本的に違うのです。
メインは「プログラム」ではありません。主にあって集まっている「人々」です。主たる目的は主の臨在の中で一緒に時間を過ごすことで、プログラムを「無事」こなすことではありません。
「意味ある人間関係」を築くことにフォーカスしてください。多くの場合、家庭集会は牧師が語るメッセージがメインです。聴衆は黙って聞いています。教会の礼拝と基本変わりません。牧師がいないとメインディッシュが無いも同然です。スモールグループの目標は、牧師や宣教師がいなくなることです。つまり、彼ら自身で御言葉から学び、「分かち合い」を中心として続けられるようになることです。関わる必要があれば、最小限、ポジションとしてではなく、「信頼関係」で関わるべきです。
また、集会ではないので、人数を集める事が目的ではありません。実際、スモールグループをやってみると人数が多すぎると機能しない事が分かってきます。
スモールグループダイナミックスの限界は7名と言われています。私達の経験からは6名までが限界でしょうか。実際、深い会話をするには4名くらいがベストです。特にカフェやレストランで行う場合、席取りが大変です。また周囲がやかましいので、6名以上になると相手の声が聞こえづらくなり、会話の意欲が削がれます。エクレシアでは人数より「深さ」です。むしろ、少人数の群が沢山できることが理想です。
兄弟姉妹として交わる
特に日本人クリスチャンは「先生」からメッセージを聞くことに慣れてしまっていて、自分から発言することは訓練されないと難しいかも知れません。牧師や宣教師がスモールグループをやる場合、しつこいようですが、喋りすぎないでください!そうすると「話す側」と、黙って「聞く側」に分かれてしまいます。また兄弟姉妹の中に「牧師先生」として入ってくると、信徒は構えてしまうでしょう。「先生」より「〇〇さん」と呼ばれるようにすることが大事です。
距離を作らず、「等身大」で、同じ「仲間」意識を作ることが大事です。Leader set a temperature (リーダーが温度を設定する)という英語のフレーズがあります。
リーダーが高圧的で権威的なら、どうしても堅い雰囲気になり、開放的というより閉鎖的になるでしょう。「自分がこんなことを言ったら先生はどう思われるだろうか?」と心配するようでは、開放的なディスカッションは望めません。分かち合いの時に「し〜ん」としていたら「失敗」したと思ってください。主の前にへりくだり、自らの失敗も分かち合える兄弟の一人として参加するのです。
聖霊の導きの中で
しかし、同時に「沈黙」に意味がある場合があります。メンバーが御言葉を味わったり、神の声を聞こうとしている場合があります。
沈黙を恐れて沈黙を埋めるため、喋ってはいけません。
ファシリテーターも神に聞いてください。全ては聖霊の導きの中で行われるべきです。
弟子を育てる
このようなスモールグループは弟子訓練の「場」とも言えます。弟子訓練は「弟子訓練コース」のテキストを終えることではないのです。伝道学を学んでも実際に外に出て「失われている魂」に出会い、触れなければ意味がないのです。講壇から「伝道」を語っても、伝道している姿を見せなければ、単なる言葉に終わってしまいます。弟子訓練も他の人との交わりの中で、愛において、仕える事において成長していなければ空しいのです。
どれくらい御言葉によって、「変えられている」のかが重要です。
礼拝説教だけでは成長するのには十分ではありません。スモールグループで「お互いに」を実践する事。さらに、できれば「個人的」に時間を過ごす事が望ましいのです。ホープチャペルのラルフモア氏は「一緒にコーヒーを飲む」ことを勧めています。一緒に時間を過ごすことです。等身大の付き合いをすることです。弟子たちはイエス様と「一緒」に時間を過ごしたのです。説教を聞くだけの「お客さん」から、どうしたら「キリストの弟子」と変えられる事ができるのかにフォーカスすべきでしょう。イエス様は「教え」、自ら「実践し」、今度は弟子たちと「一緒にやり」、最後は弟子たちだけで「送り出した」のです。
なるべくシンプル
長く続けるためには、シンプルであることをお勧めします。
誰もができるフォーマット。無理しない。どうしても削れないものだけ残しましょう。
TMCエクレシアでは3つだけです。
1。近況報告
2。分かち合い式バイブルスタディ
3。祈祷課題を出しての祈り合い。
初めての人が多い場合は、お互いを知るためのオープニングクエスチョンをしばらくやることをお勧めします。趣味、行ってみたい場所、小学校の思い出など、毎回ファシリテーターが質問を考えてきて皆に質問します。いろいろ良いテキストもあるでしょうが、聖書そのものを使うことをお勧めします。聖書のある本を取り上げ、継続して少しずつ共に学んでいく事をお勧めします。御言葉には力があるのです。
適切な解説
TMCエクレシアではただ食事会をやっていた時期があります。それでも意味はありますが、メンバーから「聖書を開きましょう」と声がありバイブルスタディが始まりました。初めは、その箇所から自由に感想を言い合ったのですが、その箇所を正確に理解(正しい解釈)してから、感想、コメント、適用があるべきだと思うようになりました。そこで、私たちはハーベストタイム出版の「クレイ聖書解説コレクション」を使うようになりました。その聖書箇所の解説をファシリテーターが読み、背景を知った上でディスカッションが始まります。
ハーベストの中川氏が言うように、
まず正しい「解釈」、そして個人的な「適用」となります。
お父さん的な存在。
アメリカのオーガニックチャーチ推進者のフランク・バイオラ氏は、「イエス様だけが頭、エクレシアメンバーは完全なフラットな関係」を主張し、賛美リーダーの存在、霊的アカウンタビリティの関係(霊的お兄さん)さえ否定します。
しかし、先程述べたように初代教会には「監督」「長老」「執事」といったエクレシアでリーダーシップを取る人たちはいたのです。私達TMCの経験からも、完全フラットでは動きません。
音頭をとる人が必要です。グループにはリーダーは必要です。
ただし、権威を振るうのではなく、皆に仕える僕として。サーバントリーダーです。それぞれのエクレシアにはリーダーがいるべきです。また、複数のエクレシアをいい意味で「監督」する「お父さん」的な存在がいるのが望ましいと思います。「お父さん」はメンバーのため毎日、祈ります。
TMCエクレシアは、「全員参加型」です。持ち回りでメンバーが司会を勤めます。司会者がその時間を導きます。初めは皆さんの「近況報告」をお聞きします。そして、「本日の聖書箇所」を読んで、司会者がその箇所の「クレイ聖書解説」を読みます。そして自由なディスカッションの時間になります。そこで私は、メンバーから出た質問に答えたり、必要と思われるティーチングを入れたりします。しかし、極力、出しゃばらないようにします。「〇〇先生の集会」ではなく、メンバー「皆の」エクレシアであることを目指します。皆が「オーナーシップ」を持つ事が必要なのです。マイクロ マネージしてはいけません。あえて自分が参加せず、メンバー同士が自由に交わり(食事会など)を持つこともあります。それが望ましいのです。
エクレシアは生命体
エクレシアは組織や制度ではありません。キリストの体、生命体です。成長する生きた神の神殿です。TMCエクレシアは「意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ」を目指します。
教会はキリストのからだであり、すべてのものをすべてのもので満たす方が満ちておられるところです。 (エペソ1:23)
こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国の民であり、神の家族なのです。使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です。 このキリストにあって、建物の全体が組み合わされて成長し、主にある聖なる宮となります。 あなたがたも、このキリストにあって、ともに築き上げられ、御霊によって神の御住まいとなるのです。 (エペソ2:19−22)
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意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
執筆者:栗原一芳
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