荒野での誘惑とイエスの対処
イエスは洗礼後、聖霊に導かれて荒野に行かれた。それは、悪魔の試みを受けるためだった。これはメシアとしてのテストであり、神の子であることの証明でもあった。
1)空腹時に、石がパンになるように (マタイ4:4)
2)神殿から飛び降りても、御使が守る (マタイ4:5−6)
3)サタンにひれ伏せばこの世の王国と栄華が手に入る(マタイ4:8)
つまりは、
1) 世界の人の腹を満たせば、人々はあなたをメシアとして崇める。
2) 奇跡を見せれば、人々はあなたをメシアと認め、崇める。
3) 人々に栄華と繁栄を約束すれば、人々はあなたをメシアと認め、従う。
そして、これらは十字架を回避して「楽に」メシアになる誘惑でもあった。しかし、イエスはこれらに御言葉を持ってことごとく反発、論破し、サタンの誘惑を退けた。
サタンに従う「反キリスト」
世の終わりに出現する獣=反キリストは、逆にサタンの誘惑に全く従うことになる。不法の秘密はすでに働いているので、この世の権力者も(一部のキリスト業界の権力者も)この提案を受け入れる。つまり、癒しなどの奇跡を見せ、この世の繁栄を約束する。
「金」だけ、「今だけ」、「自分だけ」の風潮の今日、このサタンの誘惑に乗りやすい環境となってきている。世の終わりの反キリストはきっとこのようにするだろう。
1) 世界の人にIDを付け、ベーシックインカム(基本生活給付金)を与える。
生活が保障されることは助かるが、世界政府の意向に逆らえなくなる。これに権威者の決めた教育内容と教育システムに従わざるを得なくなる。それは、反キリスト的、反聖書的なものだろう
2) 反キリストは種々の魔術を行うだろう。エジプトの呪法師たちもある程度の奇跡を行った。サタンの力をバックにそれができるだろう。事実、反キリストはイエスを真似て、復活さえする。(黙示13:3)人々は驚いて、彼に従うのだ。また、癌の特効薬を開発して世界の人に提供したり、次期の強烈なパンデミックの特効薬やワクチンを世界の人に提供することで、崇められるようになるだろう。
3) 共産主義がそうだったように、初めは全世界の人々の繁栄を約束するが、
次第に、世界はグローバルエリートと下層市民に二分され、デジタル管
理社会の中で、人口管理される。下層民は経済的に思想的に管理され、
家畜化、奴隷化されるだろう。サタンに従うグローバルエリートたちは、
人の命までも売買し、(黙示18:13)利得を獲、栄華を享受し、ファ
ッション、エンタメ、児童性愛を含めた性快楽の極みを追求するだろう。
悪魔的な人にとって反キリスト体制の世界は、悪くはない。悪魔に魂を
売ってしまえば、一時的な「天国」を味わえるのだから。サタンの好き
な、この世の栄華を我が物にできる。
3年半 VS 1000年
しかし、賢い人なら考えるだろう。7年の享楽か、千年の歓喜か。そう、患難時代は7年間で終わる。表立った反キリストの支配は3年半で終わる。こんなデタラメな世界は長くは続かない。偽メシアの真似事は終わる。キリストの再臨とともに反キリストとその勢力は滅ぼされ(黙示11:15−18)キリストご自身が王となり、この地上を治める。すなわちメシア王国=千年王国が実現する。(黙示20:1−6)まず、地上に神の支配が回復し、その後、サタンもハデスも滅ぼされ、永遠の新天新地(天と地の融合)がやって来る。
残念なサタン
エゼキエル28はツロの王の滅びに関しての記述だ。しかし、11節からは、どう見ても単なるツロの王の描写を超えている。つまり、ツロの王になぞらえて、サタンの堕落について書いていると考えることができる。
かつてサタンは美の極み、全きものの典型であった。(28:12)人のためのエデンの園の前に造られた、御使たちのための宝石に満ちたエデンの園にいた。(28:13)。油注がれた「守護者ケルビム」と明記されてさえいる。(ツロの王ではない!)ケルビムは上位にいる御使だ。不正が見出されるまでは完全だったのだ。(28:15)ついに罪ある者となり(28:16)神の山から追い出された。(28:16)その原因は「高ぶり」だった。(28:17)
サタン、そして反キリストなる人物は、患難期を通しても悔い改めない。サタンは1000年間、「底知れぬところ」に閉じ込められるが、その間、反省する様子もなく、放たれた途端、人々を誘惑し、反乱軍を起こしエルサレムに攻め入る。そして最後を迎える。(黙示20:8−10)最後まで悔い改めない残念なサタン。サタンだけではない、最後まで悔い改めない「残念な人々」もいる。(黙示16:11、16:21)その運命はサタンと同じになる。
はたして地上に信仰が見られるでしょうか?
堕落したサタンは天の3分の1の天使をそそのかし、反乱軍に組み入れた。(黙示12:4)黙示録12章は、メシアの出現と再臨を阻止するために、いかにサタンがイスラエルを追い回し、滅ぼそうとしてきたかの歴史的パノラマを描いている。そして、今日、「この世の神」(II コリント4:4)「空中の権威を持つ支配者」(エペソ2:2)として人々を誘惑し、自分の運命の道ずれにしようとしているのだ。(黙示20:10)
世の終わりに向かい、キリストに付くのか、反キリストに付くのか、この選択が明確になって来る。世の大半は反キリストに従う流れだろう。もうその兆候を見ている。以下はキリストご自身のお言葉です。
あなたがたに言いますが、神は彼らのため、速やかにさばきを行ってくださいます。だが、人の子が来るとき、はたして地上に信仰が見られるでしょうか。
(ルカ18:8)
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執筆者:栗原一芳
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