2024年9月19日木曜日

「オーガニックチャーチを考える」


今回のおすすめ本

Missional Renaissance – changing the scorecard for the CHURCH

By Reggie McNeal

 

Missional Communityという考え

教会というより、Missional Communityという表現が最近よく使われる。特に日本の教会の場合、信仰持つ事で家族との軋轢も生まれ、あちこちから個人が集まって教会を形成しているケースが多い。しかも、電車に乗って日曜礼拝に集うとなると、教会堂が存在する地域コミュニティとの関係が薄くなる。励ましの場としての合同礼拝や聖書からのティーチングは、日曜にやるにしても、週日、生活の場でクリスチャンが少人数で集まり、深い交わりを持ち励まし合い、生活圏でクリスチャンの影響を周りに及ぼしてゆく「場」がどうしても必要になってくる。ホープチャペルのラルフモア師は、これをミニチャーチと呼んで推進している。

 

上に挙げた本は「この世」に置かれた「使命を持った」クリスチャンの集まりとしての宣教的コミュニティを提案している。キリスト教が文化となり、習慣化して、自らの運営にフォーカスしているあり方から、使命をもって地元コミュニティへのインカーネーション(受肉)してゆく方向性が必要なのではないか?

 

教会開拓は1教会、1会堂、1牧師を目指してきた。しかし、それのビジネスモデルが難しくなっている。伝統的教会が衰退する中で、この本は教会の新たな方向性を示している。

 

 

教会のあり方を変革する  The change of mindset on CHURCH  

 

- Kingdom focused  神の国指向  生活の場、社会、世界が舞台。

 

- Connectors     組織の会員という考えより、人々を結びつける方向性

 

- Program to people  プログラムから人へフォーカスを移す。

 

- Attractional to Incarnational 魅力あるプログラムでこちらに引っ張り込むのではなく、コミュニティに出て行って、そのただ中で影響を与える。著者は地元少年野球のコーチとして奉仕することや、NPOなどで地域奉仕活動に参加することを勧めている。

 

- Proclamation to Demonstration 説教より、行いで見せていく

 

- Institutional to Organic  制度的教会から生命体としての教会へ。

 

- From church job to Kingdom assignment 神の奉仕は教会内の奉仕、仕事という考えから、神の国を広めるため、この世に使命をもって遣わされているという意識。この世の仕事の再評価。

 

- Life is mission trip 信仰生活は日曜だけでなく、生き方そのもの。生活、人生そのものが神と共に歩む宣教旅行。

 

- The way of life それは生き方そのもの

 

- From Worship service to Service as worship

日曜朝の礼拝という儀式から、人々に仕えることが礼拝という意識へ。実際、礼拝は24 hours/7daysであるべき。(ローマ12:1−2)

 

オーガニックチャーチの特徴
著者によるとオーガニックチャーチの特徴は・・・

 

- Decentralized 中央集権ではない

 

- Simple シンプル

 

- not membership driven 会員制度を強調しない

 

- synched with normal life routines 日常生活と同期している

 

- not dependent on clergy  教職者に頼らない

 

- focused on the spiritual development of the participants 活動の多さよりも参加者の霊的成長にフォーカスする。

 

- The people are the church. (not “attending the church”, not “going to the church” nor “supporting the church”. 教会は「人々」なので、「教会に出席する」「教会に行く」「教会をサポートする」という言い方はしない。

 

TMCの場合は・・・

例えば、私達のTMCでは、カフェや、zoomで定期的に集っている。エクレシアは「教会」と訳されるが、新約では会堂の意味で使われたことは一度もない。常に人々を指している。1つの場所で人数を増やすことを目的とせず、深い、正直な関係を築くことを目的としている。多くても8人。一人の牧師が常にメッセージするということをしない。(新約聖書にその例は見出せない)宣教師がいても、ビジネスマンが進行役を勤める。カフェや、レストランという日常の雰囲気の中で、分かち合いが為され、食事をし、聖書が開かれ、祈り合う。プログラムはいたってシンプルでフレキシブル。新来会者がいれば、その人の話を聞いて終わる事もある。先生と呼ばれる人はいない。正直になれる安心感がある。集うのはビジネスパーソンなので、必然的に会社の話やビジネス戦略の話も出る。日常生活にシンクロしている。特別なマスクをつけなくていい。変に霊的に繕わなくていい。

 

みことばが開かれ、1)気になったところ、心に留まったところを分かち合う。2)疑問に思えるところを分かち合う 3)アクションポイントが示されれば分かち合う。全ての人が参加し、コメントを言う。一方的に聞いたメッセージより心に残る。時々、ノンクリスチャンも参加する。彼らも自由に聖書の言葉から感じた事を分かち合う。最後は、実生活での必要を分かち合い、祈り合う。ビジネスの成功も祈る。仕事関係で出会うノンクリスチャンのためにも祈る。そのような中で参加者は解放され、霊的成長を体験する。自分にとっての霊的命のオアシスとなる。人生を共に歩む「友」が与えられる。定期の集まり以外でも、お互い自由に会って交わったり遊んだりする。

 

参加者からのコメント:

🔵 まさに、心のオアシスです。」

🔵 「ここだけですよ、心を開けるのは」

🔵 定期的に御言葉を学び、互いに祈りあえる仲間が与えられていることに感謝して

      います。」

🔵 聖書の教えるエクレシアについて再考し、自分の中で再構築することが出来ました。また

      社会人クリスチャンの様々な仲間が増えたことも感謝です。」

🔵 書を新しい角度から学ぶ事が出来たり、社会人として、社会で働く上でも

   勉強になっているという事です。」

 

東京メトロコミュニティ(TMC)のモットーは、

意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ」。

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意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ

東京メトロ・コミュニティ

Tokyo Metro Community (TMC)

執筆者:栗原一芳

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