2023年8月3日木曜日

死後の世界

 

お盆の由来

もうすぐお盆の季節。お盆休みには故郷に帰郷しておじいちゃん、おばあちゃんに孫を見せると言った恒例の季節になっています。「お盆」という言葉は「盂蘭盆会」(ウラボンエ)、梵語(サンスクリット語)の「ウランバナ」から来ています。もちろん、オリジナルな仏教にはありませんでした。その意味は「倒懸」(とうけん)と訳され、つまりは「逆さまにかけられ苦しんでいる亡霊」となります。つまり「お盆」の前提は、祖先が悪い人だったため、地獄で「逆さづりの刑」にあって苦しんでいるという事なのです。1年に3日、「お盆」の時期に、地獄の蓋が開いて死者が家に戻ってくるので、お迎えし、ご馳走するのですが、3日経つと地獄に戻ってもらうことになります。いやはや何とも・・・

 

罪人は地獄に行く

地獄の思想はキリスト教だけではありません。仏教にもありますね。正確には釈迦の教えたオリジナル仏教ではなく、日本で変質した民間仏教と言ったほうがいいでしょうが。悪いことをした人は地獄で様々な苦しみを受けるらしいです。殺人者が行く「黒縄地獄」、邪婬のものが行く「衆合地獄」、盗人が行く「叫喚地獄」などなど。雲仙には火山現象を利用した間欠泉「地獄めぐり」がありますね。日本でも悪い人は、地獄に落ちるという思想があったのです。

 

旧約時代の死後の世界

旧約時代には死んだ人は善人も悪人もシェオール(日本語訳では「黄泉」)に行きました。シェオールは旧約で65回出てきます。エゼキエル31:16では、「穴に下る」という表現があります。また「地下の国、死に渡された」(エゼキエル31:14)とあり、地下に「死の国」があると信じられていたようです。

 

ギリシア語では「ハデス」となっています。大事なことは「シェオール」も、「ハデス」も一時的な拘留場所であり、最終的な「地獄=ゲヘナ」ではないということです。また悪霊は「底知れぬところ=アブソス」に留置されています。(ルカ8:31、ユダ6)これはシェオールとは別のところです。黙示9:1では、患難時代に「底知れぬ穴」が一時的に開き、悪霊どもが地上に出てきて活動する様子が描かれています。

 

さらに、ルカ16:19−31の有名な「金持ちとラザロの話」から、シェオール=ハデスは2区分あって、アブラハムのふところと言われる「慰めの場所」と炎燃えさかる「苦しみの場所」があることが、イエスご自身の証言から分かります。

 

新約時代の死後の世界

未信者は死後、シェオール(ハデス)に行きます。ここで拘留された後、地上の肉体に復活して「白い御座の裁き」に出頭し、審査されます。(黙示20:11−15)「命の書」に名のないもの(未信者)は、「火の池」(最終的な地獄)に投げ込まれるとあります。(20:15)これは「第二の死」(黙示20:6)とも言われています。

 

一方、キリストを信じるものは、死ぬと即、キリストのもと(パラダイス)に行きます。エペソ4:8を見ると、シェオール(ハデス)の「慰めの場所」にいた聖徒たちはキリストの十字架の御業の後、天に引き上げられたことが分かります。旧約の聖徒たちも「パラダイス」にいることになります。従って、現在、ハデス(シェオール)には未信者しかいません。イエスの隣で十字架についた罪人は悔い改めた(イエスがキリストであると思い直した)結果、「あなたは今日、わたしと共にパラダイスにいます。」と約束を頂きました。(ルカ23:43)パウロは「わたしの願いは、世を去ってキリストと共にいることです。」(ピリピ1:23)と言っています。クリスチャンは死ぬとキリストの元に行きます。(アブラハムのふところではありません。)

 

しかし、これで終わりではありません。携挙の時に、すでに死んでいるクリスチャンは「朽ちない体」に復活して、天に挙げられます。その時、生きて地上にいるクリスチャンは、一瞬にして「朽ちない体」に変えられ、挙げられます。(Iテサロニケ4:15−17、コリント15:51—52)天にて「キリストの婚姻」に与り(黙示19:7)、キリストの地上再臨の時に、お供します。(黙示19:14)そして、反キリストの滅亡の後、地上に成就する「御国=メシア王国=千年王国」にて、キリストと共に、王として、この地上を治めます。(黙示20:6)その後、新天新地と続きます。死んで、天国(パラダイス)に行って終わりではないのです!

 

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お勧め本

「日本の宗教と習慣」 池田豊 著 いのちのことば社

「死後、何が起こるか」ティム・ラヘイ 著  いのちのことば社

 

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執筆者:栗原一芳

 

 

 

 

 

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