2013年2月17日日曜日

幸福の指標



 NHKのニュースコラムで「傾聴ボランティア」の話があった。独居老人の孤独死の問題がある。聞いてくれる人が居ないと人と言葉をしゃべらなくなる。そうすると人間らしさを失って行く。社会と断絶してゆく。そんな中で傾聴ボランティアが役立っているという。はじめ取っ付きにくい男性も、話し始めると堰を切ったように話し出すという。氷が溶けるように心の氷も溶けてゆくのだろう。人には人が必要だ。だから、神は言われた「人がひとりでいるのは良くない」結婚の話に限らない。聞いてくれる人がいるだけで、人は人間性を取り戻し生きてくる。私が訪れた会津若松の仮設住宅で、クリスマス会にやって来た男性が言っていた。「こういうのでもないと、部屋で一日テレビ見てる。」

ホームレスの問題は食べ物が無いというだけではない。住所を無くし、携帯を無くし、社会から隔離されてしまう。おじさんホームレスだけではなく、若者ホームレスも増えているという。外で寝るのは危険なので、夜中、歩き回ったり、ネットカフェやファーストフード店で過ごしている。以前、NHKクローズアップ現代で「助けてと言えない30代」というテーマで若者ホームレスを取り上げ話題となった。同名の本も出版された。明日は我が身という同世代の若者からの反響が大きかったそうだ。

ひきこもりや鬱病も依然として多い。人とかかわり傷ついて殻にこもってしまうケースもあるだろう。近い将来、日本人の4割が一人暮らしになるという。そのほとんどは20代独身と独居老人。まわりと関係を持ってないと災害時にも声かける人もいない。高層マンションの部屋に内カギをしていると、家具の下敷きになっていても外からは気づかないし、入れない。地域のコーラス会でも太極拳でも何でもいい。「あの人どうしてんの?」と言ってもらえる関係があると無いでは大違い。

先日は、地元の社会福祉協議会が主催する「防災情報サロン」に出席した。60代、70代で元気に防災町づくりに励んでいる人達がいる。特に男性にとっては「居場所」と「役割」があることは大きい。避難所でも「役割」をあげないと受動的なお客さんになってしまうという。(災害時には被災者が被災者をケアするという態度が必要)

さて、シアワセの指標とは何だろうか? 健康で、やるべき使命があって、それを支える家族(コミュニティ)があるという事か。20代の後半、神学校を終えて帰国した私は人間が幸せであることの絶対条件を発見した。神学校で学んだ「雅歌」にインパクトを受けた。つまり信仰とは規律や哲学や概念ではないということ。シンプルに「関係」、それも男女の関係に一番よく表されていることを教えられた。信仰とは神との生きた関係。そういう信仰生活にはシアワセを感じられる。だから地上での人間のシアワセも、それはとてもシンプルで・・・


一緒に「いる」 一緒に「やる」


これは正に、世界の創造の初めにおられた三位一体の神のお姿なのだ。御父、御子、御霊は共に居られ、一緒に世界の創造に携わった。その喜び、祝福は世界の被造物にまで溢れ流れた。箴言8:30−31を読むと、創造の時のシアワセな姿が見て取れる。

あなたは誰かと一緒だろうか?人生を共に歩む仲間がいるだろうか?祈り合える仲間がいるだろうか?あなたは今やっている仕事/ミニストリーに意義を感じているだろうか?意味あると感じられる事を一緒にやる仲間がいるだろうか?お金があっても孤独なら意味が無い。仲間がいても意味ある事に携わっていないと虚しい。使命に生きていても一人で走っていては寂しい。聖書的なシアワセの指標、それは


一緒に「いる」 一緒に「やる」


TMCはそんなシアワセを提供するコミュニティでありたいと願っています。

感想をお待ちしています。
asktmc@gmail.com (栗原)

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