2022年2月10日木曜日

ノア大洪水の真相(3)

女の子孫と蛇の子孫

わたしは敵意を、おまえと女の間に、おまえの子孫と女の子孫の間に置く。彼はおまえの頭を打ち、おまえは彼のかかとを打つ。 (創世記3:15)

 

大変重要な箇所です。「原福音」と言われています。つまり、「女の子孫」であるイスラエル民族とサタンの間には敵意が置かれるという事です。そして、「彼」すなわち、女の子孫から生まれる「メシア」がサタンを十字架で打ち砕くという預言なのです。ヘビは、「竜」としても登場します。創世記で書かれているこのサタンと女の子孫との敵対関係は黙示録でも記述されています。

 

その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ 落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた。その子は神のみもとに、その御座に引き上げられた。  (黙示録12:4)

 

女の子孫は、神が選んだのは「イスラエル民族」です。それでモーセが生まれる時もサタンが働きかけてファラオにイスラエル人の生まれてくる男の子を川へ投げるよう命じました。この民族を抹殺したかったのです。キリストがベツレヘムで誕生した時に、ヘロデ王は2歳以下の子供を殺害するよう命じています。メシア出現を阻止するサタンの働きです。神に反抗的な人はサタンに用いられるのです。しかし、神の知恵は常にサタンを上回ります。神のお告げでヨセフとマリアの夫婦は赤子のイエスを連れて、エジプトに逃避したため、殺害を免れました。また、イエスを抹殺しようとしてユダはサタンに使われました。(ヨハネ13:27)

 

敵対関係の系譜

神はアダムとエバに「生めよ、増えよ」と命じられ、神が意図された人間が増え広がり、エデンの園の統治を全世界に広げようとされたのでした。しかし、アダムとエバは神に逆らい罪を犯し、エデンの園を追い出されます。それでも神は彼らを祝福し、カインとアベルという子供を授けます。カインはアベルへの嫉妬の罪を治めるべきだったのに、抑えきれず(創世記4:7)サタンの誘いに屈し、人類初の殺人を犯してしまいます。この行為は悪魔的です。以来、カインの系列は呪われたものとなります。(創世記4:11)神に逆らう系列となっていきます。一方、二人の子供を亡くしたアダムとエバに神はセツという子を与えます。セツはアベルの「代わり」(4:25)に神の祝福の系列、メシアのラインとなっていきます。それでサタンは次の一手を考えざるを得なくなったのです。正常な人間の系列を断つことです。そうすればメシア誕生を阻むことができるのです。

 

神に反逆的(悪魔的)なカインの系列

カインは「主の前から出て」(創世記4:16)エデンの東へ行ったのであり、主のご臨在から離れたことを意味します。そして、それはサタンの誘惑に乗り易い者となったことも意味します。サタンにとっては使い易い相手となりました。カインの系列の女に堕天使が近づいたとしても不思議ではありません。カインも子供を産んで、その系列が広がっていきます。カインの子孫のレメクは最初の一夫多妻を行なった人物です。(創世記4:19)これは神の秩序への反逆です。しかも、大変、暴力的であったことが分かります。(4:23−24)また、カインの子孫はミュージック、アート系、技術系であることが分かります。また、「道具を作るもの」(4:22)とありますが、道具には人を殺す「武器」も含まれたでしょう。彼らは堕天使との接触によって、そのような知恵を得たのではという説もあります。レメクの時代から、これらが急に発展しているのは偶然でしょうか。トバル・カインはオカルト世界で崇められている存在です。現代のミュージック・アート、テクノロジー開発者の多くが無神論的リベラル思想を持っています。また、カインが「町を建てていた。」とはエデンの園と対照的に「自分の力」を誇示する態度で、バベルの塔に通じるものです。(創世記4:17)また、神から離れた技術、芸術は、「経済的繁栄」と「エンターテインメント」へ繋がり、無神論的世俗文化を広めることになります。神ご自身は偉大なデザイナーでありアーティストです。アート自体が罪深いわけではありません。実際、神に用いられた技術者もいます。(出エジプト35:30)

 

サタンのおぞましい戦略

創世記3:15節では「へび」にも子孫があることが示唆されているのは興味深いですね。サタンの子孫?そう、サタンは堕天使たちを用い、人間の娘たちと交わり、「種」を植え付け、自分の「血統」を作ることを考えたのです。

 

創世記6:4で、いきなりネフィリムの話が出てきているのは不思議ですね。このコンテキストの中で、ネフィリムが関係しているからです。悪魔的な遺伝子を持っているネフィリム(超人・巨人)が増え広がれば、サタン的人種がはびこることになります。何とおぞましき事でしょう。神が正常な「人間」に「生めよ、増えよ」と命じ、繁殖させようとした本来の意図とは全く異なる事になります。

 

通常、旧約聖書の系図には女性の名前は出てきません。トバル・カインの妹ナアマの名前が記されているのは特別な理由があったのでしょう。ナアマが最初に堕天使と結ばれたからだとう説もあります。カインの系図がトバル・カインの妹、ナアマで終わっているのも不自然です。堕天使とのハイブリッドになる前の、正常な「人間」の系図が、そこまでだったからかも知れません。(創世記4:22)「カインは滅し尽くされ・・」(民数記24:22)とあるように、洪水後も続くカイン因子は最終的に「滅し尽くされ」なければならなかったのです。

 

悪霊たちとのハイブリッドが繁殖すれば、地上に悪が増大するでしょうし(6:5)暴虐が満ちるようになるでしょう。(6:11)平和より好戦的なネフィリム達は、正常な人間を襲い、食らっていたかも知れません。まるで「進撃の巨人」のようですね。また仲間同士でも戦っていたことでしょう。とにかく強くて暴力的なネフィリムが人間どもを支配していたことは確かでしょう。また、堕天使(悪霊)どもは神の秩序に反逆するため、聖書で禁じられている動物との性交渉(出エジプト22:19、レビ20:15−16)や動物の異種交配を試みた(レビ19:19)ことも考えられます。異様な生き物が出現したでしょうね。地上の生態系が全く壊されていったのです。ちょっとやそっとの悪ではなかったのです。

 

「神が地をご覧になると、見よ、それは堕落していた。すべての肉なるものが、地上で自分の道を乱していたからである。」(創世記6:12)

 

全ての肉なるもの・・人間だけではない、全ての生き物の生態系は乱されたのです。人々の不信仰というだけなら、神が疫病や毒ベビを送って、その人々だけ滅ぼすことは十分できたはずです。なぜ「家畜や這うもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを悔やむ」(創世記6:7)とまで神は言われたのでしょう。何も全地を水で覆わなくても良かったのではないでしょうか?また、局所的な洪水なら、ノア一家に別の地域に移動するよう指示するだけで良かったでしょう。しかし、世界は一度リセットしないと、どうしようもなくなったのです。地上のすべての生き物は消し去られたのです。(創世記7:21−23)

 

大洪水は神の無慈悲で、無軌道な怒りではなく、正常な人類を保ち、「女の子孫」であるメシアを出現させるための「守り」の行為だったのです。

 

神ご自身で、DNAが乱されていない動物を1つがいづつノアの元へ連れてこられました。(創世記7:9)ノアが連れてきたのではないのです。ノアにはDNAが汚されていない動物かどうか見分けがつきませんからね。神に指令された動物達がノアのところにやってきたのです。そして、2匹づつ生き残れるように「つがい」で保護しました。(6:20)また、新しい地で繁殖するようにされたのです。(7:3)

 

それではなぜ、洪水後、ダビデの時代まで巨人がいたのでしょうか?民数記24:22にモーセ率いるイスラエルの民がモアブに留まっていた時、預言者バラムがケニ人の住んでいる方を見渡して「しかし、カインは滅し尽くされる。」と不思議なことを言います。大洪水でカイン一族は、すでに滅んでいるはずです。カイン系は全員堕天使の影響があったことでしょう。しかし、ノアの不信仰な息子ハムがカイン系の因子を持つ女性と結婚していたら?・・その因子はハムの子孫に伝わります。ハムの子孫には、悪名高いニムロデがいるのです。モーセの時代にもその因子を持つカナン人がいたのです。そうすると最終的に「カインは滅し尽くされる」という主の言葉の意味が分かりますね。ダビデ時代に最後のネフィリムの生き残りの4人の巨人が倒されます。

 

次回、洪水後のネフィリムについて詳しく見ていきます。

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参考資料

Judgment of the Nephilimm by Ryan Pitterson




 

おすすめ動画

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「神の国と悪魔の国」シリーズ  「大洪水」中川健一

 

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執筆者:栗原一芳

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