2024年3月14日木曜日

会いに行く教会

 

大宣教命令

イエスは弟子たちにこう語られた。

 

あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。(マタイ28:19)

Go therefore and make disciples of all nations,……

 

マルコ福音書ではこうなっている。

 

全世界に出てゆき、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。

(マルコ16:15)

Go into the world and preach the gospel to every creature.

 

「出て行く」ことが強調されている。ここでは、大会堂を建てなさいとも、チャーチ・プランティングをせよとさえ書いてない。シンプルに「出て行って」、「福音を伝え」、「イエスの弟子を作ること」、この3つ。エクレシア(教会)は、その結果。イエスの宣教もパウロの宣教も「はじめに会堂を建て、人を集める」ではなく、「出て行って福音を伝え」、信者が起こされ、その結果、エクレシアが始まっていったのだ。

 

「出て行かない教会」VS「会いに行く教会」

通称「ともみん」がやっている「会いに行く教会」というのがある。かつては普通の教会の牧師だった「ともみん」が、過労とうつ病から、牧師を辞めた。それでもイエス様大好きで、イエス様のマネをしたいと思い、オンラインで宣伝して必要な人に会いに行くようにしたという。そして、何と今までに2500人以上に出会ったという。教会の会堂を構えても、日本では、2500人が来ることはまずあり得ない。逆方向で、会いに行くことにしたら2500人に出会えた!イエス様の宣教方法に近い。

 

確かに、イエスは、安息日に会堂で教えた。しかし、週日、弟子を連れて村々を歩き回り、人々に出会い、話を聞き、病気を癒やし、悪霊を追い出し、福音を宣べ伝えた。会堂にこもっていた訳ではない。

 

残念なことにプロテスタントの教会といえども、カトリックの「ミサに行く」というマインドセットから抜け出せないでいる。多くのプロテスタント教会は、会堂を建て、日曜礼拝という「儀式」をする場所になっており、「出て行く」ことをしなくなった。お勉強はするけれど、そして、信者は賢くなるけれど、「福音」は外に出てゆかない。

 

かつて宣教学者の福田充男さんが、日本の教会は「集め、囲み込む」スタイルだと書いていた。会堂を建てて、そこに人を集め、信徒を囲い込み、管理する。

信徒のほうも「水族館教会」で飼い慣らされてしまう。牧師の説教頼みで、自分で聖書から糧を得ることができなくなってしまう。すべての教会ではないにしろ、「ともみん」が語るように、時に「囲い込まれた」信徒が管理され、献金を半強制されたり、不当に奉仕をさせられたりと、カルト化したり、ブラック企業化している場合もある。

 

TMCは、ある意味、「会いに行く教会」だ。大きな会堂に人を集め、囲い込むより、こちらが出てゆき、会いに行く。スモールグループの中で、「等身大」、「至近距離」の交わりをする。儀式より、人を大事にする。「意味ある人間関係」を重視する。出て行って、個人的に会ってコーヒー飲みながら、お互いに分かち合いをすることもある。これもエクレシア。キリストを中心にその人と一緒に人生を歩む。そうする事で、エクレシアのメンバーもまた、クリスチャン、ノンクリスチャンと個人的に会って時間を過ごすようになる。その中で自然に「証」がなされていく。福音が出て行く。

 

ベクトルを変えませんか?

確かに「集まる」ことは大切だ。聖書はそのように勧めている。(ヘブル10:25)しかし、それはルーティン化した「儀式」に参加するためではなく、生きたキリストの体として、お互いの愛を実践するためであるべきだ。そのためには大教会である必要はなく、むしろ「お互いに」が実践できるスモールグループであるべきなのだ。スモールグループこそエクレシアの本質を発揮できるのだ。

 

人を集めて「大きくする」方向性を変えませんか?また、内向きから、外に出る方向へ変えませんか?

 

自分は、山手線祈祷に参加し、東京のために毎週祈っているが、もっと日本人牧師に参加して頂きたいと願っている。しかし、実際は、海外からの宣教師さんたちが主体だ。新宿福興教会の菅野さんと一緒に路傍伝道にも参加しているが、彼のように路上に出て福音を語る牧者は、東京広し、と言えども、ほんの数名だ。圧倒的に「出て行かない」牧者で満ちている。そのくせキリスト業界の会議には忙しい。

 

宣教師が牧師化してしまうこともある。宣教師には本来の使命である開拓的な働きをして頂きたい。私の知り合いの宣教師は、コミュニティに「出て」行って児童館で英語を教えたり、子供食堂を手伝ったりして未信者との関係作りをしている。素晴らしい。

 

最近、ヤクザから救われた二上英治さんの動画を見た。会堂を持たずに人助けをし、スナックで福音メッセージを語る。こういう姿を見ると感動する。こっちの方がイエス様に近いだろう。

 

路傍伝道なんて効果的じゃない?そんな恥ずかしい事しなくても・・?そんなことより生活で証を?もっと学びを?まず神学校へ?しかし、神学校に行き、お勉強をし、賢くなると路傍伝道なんて「おバカな事」はしなくなってしまうようだ。

 

 

私たちの主であるイエスは言った・・

 

「出て行って福音を伝えなさい!」

 

 

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「会いに行く教会」についての動画

https://www.youtube.com/watch?v=2n-26J-iOlA

 

スナックで説教する元ヤクザ牧師

【親分はイエス様】小指無し、金無し、教会無し夜の街が俺の教会夜回り「懺悔」に耳を傾けてみた。

 

自生・直結・増殖する神の民

「野生のキリスト教」 福田充男 著 いのちのことば社

 

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意味ある人間関係と祈りによって深まり広がるキリスト中心のコミュニティ

東京メトロ・コミュニティ

Tokyo Metro Community (TMC)

執筆者:栗原一芳

 

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