2011年7月10日日曜日

「ニューエイジ」(1) 西洋版の汎神論


 1970年代に黒人コーラス、Fifth Dimension による「アクエリアス」が日本のポップスベスト10にも入り、アクエリアス/水瓶座の時代(愛と平和の時代)の幕開けが希望を持って歌われた。80年代に入ると女優のシャーリー・マックレーンの「Out on a Limb」が米国でベストセレラーになりニューエイジのシンンボルとなった。その頃からチャネリング、信仰による癒し、スペーストラベルなどの用語が聞かれるようになり、タイムマガジンなどにもニューエイジの特集がなされるようになった。

しかし、90年になるとさほど、騒がれなくなった。それはニューエイジが廃れたのではなく、ことさらニュースに取り上げる迄もない程、日常化されたと言ってもいい。その後、「スターウオーズ」、「ハリーポッター」、そして、最近の「アバター」まで映画の中には当たり前のようにニューエイジの世界観が入ってきた。ニューエイジは他の世界観からの借り物で合成されており、ごちゃ混ぜ状態と言ってもいい。例えば、アニミズムからの借り物で、この世界には無数の霊的存在が満ちており、とのトップにはSky Godが存在するなど。禅やヒンズーのように非人格というより、宇宙に人格的側面を認めている。厳格な訓練によって力を得た呪術師やシャーマン達はこれらの霊(特に悪しき霊)をコントロールする力を持つ。宇宙は物質と霊でできており、命には継続性がある。人間の祖先は動物であり、人々は動物、木や石に変化することも可能。そして、それらは魂を持っている。これは
「アバター」そのものではないか?

宇宙は基本的には超越神の無い、閉じられたシステム。東洋的汎神論と対照的にニューエイジでは個人が重視される。個人こそが究極のリアリティである。外の世界は超越的神によって支配されるのではなく、内なるセルフによってコントロールされうる。ここではアトマンがブラマン(神)となる。個人が宇宙の王となる。シャーリー・マックレーンによると、彼女が見て聞いて体験しているリアリティは彼女がクリエートしたものであり、彼女自身そのリアリティに責任があるという。自分自身が宇宙であり、神も、命も、死も自分がクリエイトしたという。つまり私自身が、I AM THAT I AM (私が在りて在るもの、すべてのリアリティ)なのだ。自分の思うように世界がある。これは仏教の唯識論を思わせるし、ジョン・レノンのAcross the Universeの繰り返されるフレーズ“Nothing’s gonna change my world”を思い起こさせる。自分で自分の世界を作り出す。自分の意識で世界を変えられる。最近の映画に見られるパターンではないか。自分の内なる超能力に目覚め、それを使って世界(問題)を解決してゆく。

1973年の本「The Brain Revolution」でマリリン・ファーガソンは「我々は今まさに、知覚の扉を開き, 洞窟から出てくる時が来たのだ。」と楽観的に宣言している。知覚の扉(The door of perception)からロックバンド、The doorsの名が取られたが、知覚の扉を開けるのにドラッブやセックスが用いられていった訳だ。無差別に霊と交信することは危険なのだが。(Iヨハネ4:1)

ニューエイジの世界観は、完全なる主観主義(自分の世界)ゆえに、他人が批判することができない。客観的に存在する宇宙は因果関係で運行されているが、それは自己の意識によってリオーダーされうるものである。ある意識状態の自己意識。それを「肥大化した意識」、「変性意識」、「他の宇宙」、「スーパーマインド」、「ユニバーサル・マインド」、「無」などと呼ぶ。知覚の扉が開かれると宇宙から宇宙へ時空を越えて移動でき、その状態では超能力が自分から他人へ伝達される。その過程で、「いやし」などが起こるとする。

どうも我々から見ると悪霊の業以外の何者でもないように思われる。次回、
もう一度、ニューエイジのポイントを整理してみよう。
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聞き耳ポイント

ラルフモア師(ハワイ、ホープチャペル カネオヘベイ牧師)のメッセージから

「多くの牧師はまず、アドミニストレーションを優先し、それから説教、時間があれば弟子訓練。しかし、私はまず、家族、そして、弟子訓練、それから、メッセージ作り。大宣教命令は出て行って教会を作れとは言っていない。弟子を作れとある。弟子とはLearner、学ぶもの。信仰の先輩のあり方から学ぶ。だから、弟子訓練(個人的にはこの言葉よりLeadership developmentが本体の聖書的意味に近いと思うが)においては、一緒に時間を過ごす。多くの時間、相手の言うことを聞く。そしてアドバイスやリソースを提供する。」

可能性あるリーダー達との、こういう個人的なかかわりこそ、今一番必要とされているのではないでしょうか?
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