2014年9月10日水曜日

勇気ある女性の話



 ちょっといい話(5)


最近、「9月、東京の路上で」という本を読みました。1923年関東大震災時に起った朝鮮人虐殺の証言集です。この東京で少なくも何百人単位の朝鮮人が東京の市民(自警団)によって殺害されたとはショックです。

1923年、9月1日、土曜日、午前11時58分、相模湾を震源とするマグニチュード7.9の大地震が東京を襲いました。死者行方不明者は10万人を超えました。大災害時には情報が寸断されたり、不足するので、流言やデマが飛び交います。

「品川が津波にやられたらしい」「首相が暗殺された」など流言が飛び交いました。その中で次第に膨らんでいったのが「朝鮮人の暴動」でした。

「朝鮮人が各地に放火している。」「朝鮮人が井戸に毒を入れて回っている」

朝鮮人が、朝鮮人が・・・朝鮮人暴動の流言は地震当日の午後、横浜と東京の一部で発生し、夕方には実際に朝鮮人の迫害に帰結したといいます。

その流言を信じた人々は恐れて、防衛のために町内会で自警団を立ち上げ、「暴動」に備えたのでした。それが嵩じて路上で朝鮮人の疑いがある者を殴ったり、殺したり、警察に突き出したりしました。


今日、右翼化が進み、排外主義、ヘイトスピーチが見られる中、首都圏直下型地震が起った時、どうなるのか心配です。過ぎ去った過去の話ではありません。


悲惨な記録の中で、ひときわ励まされた記事がありました。以下、引用してみます。

「小山駅前では、下車する避難民のなかから朝鮮人を探し出して制裁を加えようと、3000人の群衆が集まった。この時一人の女性が、朝鮮人に暴行を加えようとする群衆の前に手を拡げてたちはだかり、『こういうことはいけません』『あなた、井戸に毒を入れたところを見たのですか』と訴えたという逸話が残っている。1996年、この女性が74年に92歳で亡くなった大島貞子という人であることが、『栃木県朝鮮人強制連行真相調査団』の調査で分かった。彼女はキリスト教徒であったという。」


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「9月東京の路上で」1923年関東大震災 ジェノサイドの残響
                加藤直樹著 発行者:ころから


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祈りと人間関係で広がるエクレシア
東京メトロコミュニティ(TMC)
japantmc@gmail.com(栗原)

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