2017年7月15日土曜日

カルト脱出記

ブックレビュー シリーズ1

「カルト脱出記」 佐藤典雅
エホバの証人元信者が語る25年のすべて


内情が良くわかって面白かった。それにしても、オウム事件の時、「だからカルトは怖いわね」とエホバの証人のご婦人達が話していたそうだ。それのほうが怖い!

あと、会話が「ハルマゲドン」「エホバの祝福」「サタン」の話しかないようだ。閉鎖的で、やがて楽園がくるから、この地上の営みはどうでもいいという傾向。これって原理主義的福音派も同じだろう。聖書のみ、自由といいながらも、組織への忠実、献身、恐怖政治へと向かってしまう。

一度組織となると「組織悪」が生まれる。単に兄弟姉妹なら仲良く付き合えるのに、組織上の上司と部下となるといろいろ難しい。自分も宣教団体のリーダーをしていたので体験済みだ。上司は組織を守ろうとする意識が働く。アメリカの牧師の仕事の70%はマネージメント(管理)だそうだ。

ニューライフキリスト教会の豊田信行牧師が「サーバントリーダーシップの実践」という記事でこう書いています。

「ピラミッド型組織のリーダーは『管理』、逆ピラミッド型組織のリーダーは『支援』を主たる責務と考えるため、失敗に対する考え方に大きな相違が生じる。管理が主体だと失敗はさけるべき問題として否定的に扱われるのに対し、支援が主体だと失敗は成長への『足がかり』と受け止められる。管理が主体の場合、すべての失敗は回避すべき問題として一括りにされる傾向が強い。ピラミッド型組織には『失敗は成長のもと』との考えが浸透しにくい。」そして、ピラミッド型組織では上司との意見の対立を望まず、「沈黙という避難所」に逃げ込みやすいという。

「カルト化する教会」ということが一時、話題になっていた。遅々として進まない日本宣教。組織力やカリスマ性に頼りたくなる心情はわかるが、それではイエス様から遠ざかってしまう。モノが言えない教会となっていくとしたら怖い。

人が必要なのは「愛」と「ゆるし」。ただ、イエスのように人々を愛したい。
オーガニック系教会は組織部分をできるだけ軽くして、人にフォーカスすることに重点を置いているようです。

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意味ある人間関係と祈りで広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ(TMC)
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