それでは続けて「この世界で働くということ」(ティム・ケラー著)から学んでいきましょう。
仕事は神の似姿の反映
「仕事は人間が神のイメージに造られたことを反映するものであり、よって単純労働であれ、知的労働であれ、すべての仕事は人間に品格があることの証拠であるというのが聖書の見解です。」(p.62)
他の動物たちと区別されるのはまさに「仕事」なのです。動物は単に「生めよ、増えよ、地に満ちよ」と言われているだけなのに、人間にだけ動物たちを「従わせ」「統治する」あるいは地を治めるという「仕事」に召し出されています。
「生めよ、増えよ」という神の命令に沿って人が増えれば、社会が形成され、都市が形成され、都市インフラが必要となり、また文化が形成されていきます。単なる繁殖ではなく、「文明化」です。「仕事」は社会を作っていく要素なのです。単なる「金儲け」ではなく、仕事は社会を構築します。そして社会には価値観やライフスタイル、文化があるのです。神によって私たちが置かれたその町の「平和と繁栄」を求める(エレミヤ29:7)よう召されているのです。
「仕事」は神の創造のみわざの継続
どんな仕事でも神の似姿に造られた人間の尊厳が反映され、そして社会を管理し、発展させる役目を追っているのです。それは神の6日間の創造のわざの継続と言ってもいいものです。この地は完成品ではなく、「耕す=開発、育成」する必要があるのです。その神のわざを人間が引き継いでいるのです。
「仕事は、私たち人間の設計図に組み込まれているものであり、人間の尊厳そのものです。また仕事は、特に社会・文化の構築という点において創造性を用いて神に仕える方法でもあります。」(p.71)
「クリスチャンは、神によるこの世界の創造と育成とに自分の仕事を結びつける方法を、確信と自信を持って当然見つけることができます。」(p69)
クリスチャンには仕事を単なる金儲けとして見る以上の「視点」があるということです。
神と一緒にこの世界を育てる
創世記1:2で「地はかたちなく、何もなかった」のです。神は混沌から秩序を作り(創造第一日から4日目まで)、空っぽのスペースに動植物、人間を満たしていったのです。(第5日と6日)
「このやり方はあらゆる仕事に見られます。農業では、土と種という物理的な原材料から食べ物を作り出し、音楽であれば、音を並べ替えて美しく感動的な調べを紡ぎ出すことで、人生を意味あるものにします。布から洋服を作るとき、ほうきを手に取って部屋を掃除するとき、科学技術を用いて電力を制御するとき、成長途中のナイーブな子供に何か教えるとき、夫婦問題の解決法を伝えるとき、身の回りにあるシンプルな材料から素晴らしい芸術作品を作るとき、私たちは神が始められた仕事—形のないものに形を与え、物で満たし、それを従えるという仕事—を引き継いでいることになるのです。混沌とした状況の中に秩序を生み出すとき、潜在的な創造性を引き出すとき、自分が見つけた物をさらに作り込み、そこからさらに「発展」させるとき、私たちは被造物を社会的・文化的に発展させようとなさる神のスタイルを踏襲しているのです。」(p.77)
これらは神と一緒にこの世界を育てる(develop)という人に与えられた特権なのです。
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参考本
ティモシー・ケラー著 「この世界で働くということ」
いのちのことば社
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意味ある人間関係と祈りで広がるキリスト中心のコミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
japantmc@gmail.com(栗原)
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