2023年10月19日木曜日

陰謀論と言うけれど・・・


聖書に記された陰謀

「グローバリストの世界統治」とか、聞くと、「ああ、陰謀論」と言うかもしれません。しかし、聖書には沢山、「陰謀」の話が出てきます。そもそもサタンが神のご計画を妨げようと活躍しているので、当然と言えば、当然ですが・・・

 

例えば、エステル記を見ると、悪人ハマンが悪巧みをし、ユダヤ民族を抹殺しようとします。その危機的な状況の時にエステルが王宮に遣わされ役目を果たし、危機一髪のところで、その「陰謀」を暴露し、危機を回避しました。歴史的な事件ですが、霊的に解釈すれば、メシアを生み出すユダヤ民族を抹殺しようとしたサタンの背後の動機も見逃せません。

 

次々に出現した、この世の権力を持つ帝国(バビロン、ペルシャ、ギリシア、ローマ)の背後にはサタンや悪霊の存在(神に反抗する勢力)があったようです。ダニエル10:13にはペルシアの背後に悪霊が働いていたことが示唆されています。また、ギリシア帝国が4分割された後、シリア・セレウコス朝のアンティコス・エピファネスは神殿を汚した「忌むべきもの」だった訳ですが、これは終末に現れる「反キリスト=獣」のモデルです。国の背後にサタンの働きがあるのです。ただ、サタンの支配は限定的で究極的には、神が世界を統治していることも付け加えておきます。(ダニエル4:32)

 

新約の手紙にも、悪の力がこの世の背後に働いていることが何度も出てきます。

(ルカ4:6−7、エペソ2:2、IIコリント4:4など)サタンが「騙しの天才」であることを考えると「陰謀」が行われていることは当然、あり得ることでしょう。「バベルの塔=神に反抗する、人の知恵と権力による世界統治」の陰謀が、終末に行われても不思議ではないのです。そして、今はそのプロセスにあり、「不法の秘密(陰謀)はすでに働いています。」(IIテサロニケ2:7)とある通りです。

 

しかし、聖書中、一番の「陰謀」はイエスの殺害計画だったでしょう。サタンは何としてもメシアを抹殺したかったのです。

 

ムカついていたユダヤの指導者たち 

大祭司ファミリービジネスであった宮の両替業がイエスの「宮清め」により滅茶苦茶にされました。面目丸つぶれの大祭司は怒りマックスだったでしょう。また、律法の専門家であったパリサイ人は、イエスにより「偽善の律法学者」(マタイ23:13以下)、「まむしのすえ」(マタイ23:33)、「白く塗った墓」(マタイ23:37)などと痛烈な批判をされ、これまた面目丸つぶれです。祭司長、律法学者たちは「腹を立てていた。」(マタイ21:15)のです。また、ローマに媚びるサドカイ人にとっては、イエスが治安を乱し、騒動となり、ローマを怒らせることを懸念していました。何れにしても、イエスは、自分たちの地位の安泰を揺るがす邪魔な存在だったのです。

 

不当な裁判

ユダの裏切りにより、夜中に逮捕されたイエスは大祭司カヤパの官邸に連行されます。大祭司官邸での深夜の裁判が行われますが、深夜の裁判はルール違反です。そもそもこの裁判は「イエスを死刑にするため」(マタイ26:59)の裁判で、そのために「偽証を求めていた。」(マタイ26:59)のです。死刑判決ありきの裁判で、これはもう裁判ではありません。イスラエルの指導者層である、祭司長、民の長老たち全員は「イエスを死刑にするために協議した。」(マタイ27:1)のであり、これも結論ありきの協議です。フェアではありません。

 

  祭司長は「冒涜罪」を宣言します。(マタイ26:65)、当時、ローマにより死刑の権利が奪われていた(ヨハネ18:31)ので、死刑を求めて総督ピラトにイエスを引き渡します。

  ピラトは尋問した結果、無罪宣告をします。(ルカ23:4)

  ピラトはヘロデにイエスを引き渡します。しかし、ヘロデも尋問後、イエスをピラトに戻します。実質ヘロデも無罪と認定したのです。(ルカ23:15)

  ピラトの2度目の無罪宣告(ルカ23:14)

  ピラトの3度目の無罪宣告(ルカ23:22)

  反対者の声が勝って、ピラトは妥協し、血の責任をユダヤ人になすり付ける。

(マタイ27:24)つまり、責任逃れをしたのです。それでもピラトは最後の抵抗として十字架の認否状に「ユダヤ人の王、イエス」と付けさせています。

 

このように結論ありきの不当な裁判で死刑が決まりました。大陰謀です。闇の力(サタン)の勝利かと思われましたが、キリストは復活したのです!

 

復活の事実の隠蔽工作

封印が解かれ、石が転がされ、イエスの墓が空になったことを目撃したローマ兵は上司のところには行かず、祭司長のところに駆け込むのです。復活の噂が広まると厄介なことになると察した祭司長たちは、ローマ兵に金をやって「弟子たちが盗んだ」という証言をしてくれと頼みます。(マタイ28:12−13)

もちろん、通常、こんなヘマをやれば、番をしていたローマ兵は責任を取って処刑されますが、祭司長は総督に、なんとかうまく説得するから心配ないと工作までするのです。(マタイ28:14)

 

「闇」は「光」を嫌うのです。このように、「不当」なことが「闇の力」によって行われたのです。

 

今もある陰謀

それでは、今日は、もう闇の力(サタン=空中の主権者)はないのでしょうか?新約聖書を読む限り、サタンは現在進行形で活躍中です。目に見えないサタンの活動はあるのです。全世界を騙す陰謀はあるのです。その力は終末において増大するのです。 

 

すべての国々の民が、おまえ(大淫婦)の魔術に騙されていたからだ。」

                      (黙示録18:23)

 

終末時には背教が起こります。(IIテサロニケ2:3)多くの人が真理から耳を背け愛が冷え、不法がはびこります。(マタイ24:12)神なしの新世界秩序が提起され、グレートリセットがされるでしょう。かつてバベルの塔の指導者ニムロデを崇拝したように、食料と安全を保障してくれる有能な世界的リーダーを崇めるようになるでしょう。人体にチップが埋め込まれ売り買いするようになるのは、もうすぐです。確かに便利な側面もあります。しかし、問題は、誰がコントロールするのかです。小さい悪は気がつくのですが、巨悪は知らずに進行するものです。

 

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執筆者:栗原一芳

 

 

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