2015年4月3日金曜日

東京劣化



確実にやってくる日本の大問題〜人口減少

東京は日本の首都で中枢機能が集まっている。しかも、人口が多い。その中で危機が起きればダメージが大きい。首都圏直下地震、新型インフルエンザやエボラ熱などのパンデミック。また東京は政治的、宗教的テロ攻撃(ミサイル、ライフライン)のターゲットにされ易い。しかし、そういった外部的要因で起る危機だけではなく、何もしなくても確実に来る危機が「人口減少問題」。当然、これは高齢化、年金、税収、財政、家庭のあり方、社会のあり方に大きく関わってくる。

日本の総人口は平成22年と23年を比べると総人口は127799千人となり,前年に比べ259千人(0.20%)と大きく減少している。日本人だけを見ると、12618万人となり,前年に比べ202千人(0.16%)大きく減少している。


日本の人口比(平成23年統計)
年少人口(14歳以下)  13.1%
生産人口(1564歳)  63.6%
老人人口(65歳以上)  23.3%
              75歳以上は人口の11.5% (一割)


このままいけば、確実に逆三角形の人口比率、つまり高齢者が一番多く、生産人口がすぼみ、さらに年少人口は尻つぼみになる。


結論:将来的に人口は減り、生産人口も減り、老人は増える


日本は、世界で最も年寄りが多く最も若者が少ない国なのだ。人口が少なくなるとは単純に、労働力が減り、税収が減るということであり、若者が担う高齢者負担が増えることである。高齢者が多く、しかも認知症が増えれば、社会機能自体が低下する。現在、認知症による高齢者の行方不明が1万人以上。通常のみならず、災害時の要援護者が増える。しかし、圧倒的に介護ヘルパーが足りない。援助者が足りない。今でさえ、防犯防災のボランティアや、自治会の高齢者見回り隊なども、退職した比較的若い高齢者が奉仕している状況だ。



東京は大丈夫か?

それでも東京だけは増えている。中央区など、この数年で3万人増えたという。しかし、東京の出生率は0.9人で、他県からの移住が無ければ確実に減ってしまう。さらに今若者が多いということは、将来、高齢者が増えるということ。(若者人口そのものが増えないという前提で)高齢者が多い街が創造的、魅力的であり続けられるだろうか?

人口減少研究における日本の第一人者で政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏が著した「東京劣化」〜地方以上に劇的な首都の人口問題PHP新書より最近出版された。それによると、東京では2010年から2040年の間に高齢者が143万人増える。計400万人。多くは独居老人。東京は若者が多いから将来的に高齢者が多くなる。地方は若者が少ないから、相対的に高齢者は増えない。秋田は1.5万人と逆に減少する。さらにポイントをまとめてみると・・・



1.高齢者が急増する。

2.税収が減る。財政再建のため増税すれば裕福層は外へ出る。

3.行政サービスが低下する。治安能力が低下する。

4.作りすぎたインフラが維持できない。オリンピック後に不動産価格が急落する。人口は減るが物は残る。都心のスラム化。ビルの4分の一は老朽化したまま放置。

5.確実に来る年金給付水準の引き下げ。それによる「高齢者難民」の出現。4割は賃貸住まいだからだ。アパート代が払えなくなれば路上に行くしか無い。老人ホームが100万床必要となる。公共賃貸住宅を大量につくる必要が出る。

6.日本人のひきこもり化(海外赴任を嫌がる。海外留学者の減)世界の情報収集の場ではもはやない。非国際都市化。政治は北京、経済はシンガポールに移っている。東京は情報が集まらない世界の「田舎都市」になる。

7.経済はこれ以上伸びない。国際競争力の低下。就労者にも年輩者が増える。つまり、労働力劣化

8.少子化対策は無駄である。出生率2.07は絶対に達成できない。出産という個人の判断(人生哲学)に国は入れない。確実に少子化は進む。生まない選択も増えるが、若い女性そのものが減る。2010年から2060年の50年間で、25−39歳の女性は55%減少する。


結論:つまりは東京の劣化



次世代は大丈夫か?

ただでさえ、少子化。それでは、東京の、そして日本の将来を担う次世代の若者は大丈夫なのだろうか。実は若者たちもシリアスな問題を抱えている。

1.若者ホームレス問題

ホームレス30代以下が3割 (今までは50代が主)
路上に出た原因は、7割が退職、倒産、派遣切り、DV
路上に寝る恐怖から夜中歩き回る。ネットカフェ、マンガ喫茶、ファースト
 フード店を転々と。
うつ傾向が4割
7割が家庭と連絡が取れないか、取らない。

離婚やDVなどで家を飛び出した少女に路上で声をかけるのは風俗リクルーターだけだという。何とも心が痛む。金銭の貧困だけでなく、支えるコミュニティの貧困が問題。

ひきこもり 70万人
若者無業者(ニート) 63万人
フリーター 178万人
合わせて、ホームレス予備軍が311万人

今や格差社会での落ちこぼれは中高年層だけではない。若者ワーキングプア、若者ホームレスが出現している。若いシングルマザーの多くが実は貧困者。増加する家庭内暴力から逃れたシングルマザーは、住所を知られないため、住民票を移さずに引っ越しする。住所不定子供が全国5000名という。仕事も育児にかかる費用を短時間で稼げる風俗店を転々とする場合が多い。しかも、児童相談所に来る女性の多くは精神障害があるという。その子供達はどうなってしまうのだろう。最近は、育児放棄による死亡事件まで起っている。子供の貧困は、6人に一人といわれる。親から子供への貧困の連鎖が起っている。ここにもミニストリーの大きなニーズがある。


2。インターネット依存症

貧困でなくても、今度はインターネット依存症の問題がある。不登校やひきこもりで精神科を訪ねるティーンズの3分の2以上がゲーム、ネット依存症だという。

     ゲームプレイは覚せい剤を静脈注射したのに匹敵する状態が脳の中で起
きている。禁断症状から、 うつや、廃人状態になるケースも。
     人格が豹変して暴力的に。他人の痛みを感じなくなる。現実感が無くなる。
残虐な事件が90年代半ばから急増。キレやすく、家庭内暴力が起り易い。人間性や社会性を失うため就職も困難になり、さらにひきこもる。しかし、日本では野放図状態だ。

さらに時代病なのか、発達障害(多動症やアスペルガー自閉症など)の子も急増している。これらの子は実質ドラッグである薬を常用するようになる。薬依存から抜けるため、しかし、結局アルコールやドラッグ依存になってしまうケースもある。当然、社会的適応が困難になり、仕事も続かない。

次世代の若者も劣化している。ここにも祈りとミニストリーの必要がある。



 東京に遣わされているクリスチャン

このままでは東京は劣化する。日本は劣化する。しかし、この東京の中枢にクリスチャンがいる。地の塩、世の光であるクリスチャンがいる!ここに留まってミニストリーをしている人々がいる。我々は東京に「いる」のではない、東京に「遣わされている」のだ。ここに呼んでくださっている神がいる。


「わたしがあなたがたを引いて行ったその町の繁栄を求め、そのために主に祈れ。そこの繁栄は、あなたがたの繁栄になるのだから」(エレミヤ29:7)


「御心が天で行われるように、地でも行われますように」(マタイ6:10)


東京を神の街に・・・・

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意味ある人間関係と祈りで広がるキリスト中心のコミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
japantmc@gmail.com (栗原)



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