ポリティカル・コレクトネス。本来は人種や男女「差別」を無くすことが目的であるはずなのに、「区別」を無くす方向に動いているのです。また変な平等意識を育てています。(*以下、ポリコレと略します。)
麻薬をやるのは個人の権利?
前回、我那覇さんのリポートを紹介し、オレゴン州ポートランドでの麻薬問題を取り扱いました。
麻薬の個人使用が法律で許可され、常習者が増え、麻薬を買うためのお金がないので万引きをし、市が提供する無料の麻薬を打ち、ホームレスになり、治安が悪化し・・・という状態です。これが救済策なのかと頭をかしげたくなりますね。常習者がかわいそうだからとういう変な寛容さが悪を助長しているという事実。「彼らは麻薬をやる権利がある」という、ポリティカル・コレクトネスの結果、かわいそうな常習者を助けるため、安全に麻薬が手に入るように市が無料の麻薬注射器セットを提供するという「変」な論理を紹介しました。
今後は、犯罪人を刑務所に入れるのは「差別」だというようになるでしょう。
セックス嗜好は個人の権利?
リベラル思想はポリコレを訴え、今まで聖書的に罪と考えられていた事を「個人の自由」「ライフスタイル」に置き換えて容認するよう動いています。つまりは、妊娠中絶、LGBT, 麻薬使用などの容認です。LGBT容認の先には「小児性愛」「獣姦」なども個人の嗜好、ライフスタイルとなってゆくのではないでしょうか?(*ただし、脳内ホルモンの増減という純粋に化学的な原因による「性同一性障害」については別に考える必要があると思われます。)
結婚外のセックスであってもそれは「個人の権利」とする一方、望まない妊娠を解決するため妊娠中絶容認を推進します。上記の麻薬問題とこのフリーセックスの風潮は確実に社会の基盤である家庭を破壊します。
親は「暴君」?
ポリコレは、未成年への「親権」を暴力と捉えます。親は「暴君」であり、親は抑圧的存在と主張します。ここでも人権や平等が変な論理に使われています。そして、子供の育成は政府がやるべきこととなります。これをやると愛着障害で苦しむ子供や親が多く出てきます。ポリコレは社会に分断と敵意を持ち込みます。これも家庭の破壊につながります。
ジェンダーフリー社会
ポリコレは性の区別を意識させる言葉を中性的なものに替えようとしています。民主党のナンシー・ペロシとジェームズ・マクガヴァンは、議会に新しい規則を導入し、「父、母、息子、娘」などのジェンダー用語を排除する方向です。共産主義の革命家たちは性を意識しないように仲間を「同士」と呼んでいましたね。これも家庭という概念を破壊してゆきます。
ポリコレと軍隊問題
以下、マックス・フォン・シューラー著「アメリカ人が語る日本人に隠しておけないアメリカの“崩壊”」より引用します。「変な」平等意識が問題を引き起こしています。
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「ポリティカル・コレクトネスによって、アメリカ軍は深刻な混乱状態にあります。昇進が割り当て制度で行われているため、少数派のマイノリティと女性は急速に階級が上がり、資質のある白人男性がなかなか昇進できません。オバマ政権は、強制的にトランスジェンダーの人々を入隊させ、女性を戦闘部隊に加入させることを認めたため、軍隊内部は非常に厳しい状況となっています。」
「ポリティカル・コレクトネスの哲学では、そうした厳しい軍隊の基準ですら、差別的なものであると考えられています。彼らは、海兵隊に誰でもなれる可能性がないのであれば、それは差別であると言っています。つまり、テストに合格できない場合は、そのテストの基準を変えるべきだと考えるのです。 しかし、それではもはや海兵隊ではなく、無用な人の集団にしかなりません。」
「ポリティカル・コレクトネスは、アメリカ軍を崩壊させ、アメリカが世界の警察として活動する能力を奪い去ろうとしています。」
「彼らはいつも、男性と女性の肉体的な違いなど幻想であり、女性も戦場で男性と同じように戦闘する力があると主張します。」
「オバマ政権がポリティカル・コレクトネスで軍隊を作り直すことを、優先事項の一つとしました。性転換をした人も、軍への入隊を許可されました。性転換した人、民族的なマイノリティ、そして女性の昇進が優先されるようになりました。」
「軍隊でのトランスジェンダーに対する方針も、すでに多くの問題を作り出しています。新しい軍 の規則では、女性がシャワーに入っている時に、裸の男性が入ってきても、否定的な反応をすることは禁止です。なぜなら、トランスジェンダーの人に対して失礼にあたる可能性があるからです。こうしたポリティカル・コレクトネスを推し進めすぎた結果、アメリカは、軍隊としての機能よりも社会問題を優先する軍隊を作り上げてしまいました。」
「海軍の軍艦に乗っている女性乗組員のうち、16%が妊婦になり、陸上の軍事施設に移動しなければならなくなると言われています。これは、誰か別の乗組員がその水兵の仕事をカバーする必要があるということを意味します。これが例えば、レーダー操作員などの場合には、非常に重要な問題となります。仕事をカバーする乗組員の休憩時間や睡眠時間が減って疲労が蓄積することで、失敗を犯してしまうからです。 もし、こうした状態のアメリカ軍が、他国の有能な軍隊と戦った場合、ひどく敗北することになるでしょう。」
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宗教の公平性?
ポリコレは宗教にも関与してきます。キリスト教の独自性を許しません。キリスト教をベースに始まったアメリカですが、学校や政府機関でメーリークリスマスと言ってクリスマスを祝ってはならないと言います。伝統的文化や価値観は破壊されます。
多様性、公平性と言っていながら1つの方向性を向かされるのです。これは容易に全体主義的国家の管理下へと移行します。公の場での「伝道」も禁止されるようになるでしょう。どこかの国と似ていますね。そして、この方向が進むと、各宗教の独自性は失われ、どの宗教信者も同意できる同じ宗教システムを作りましょうということになるのです。最近、アメリカで起こった事です・・・
民主党下院議員で合同メソジスト牧師エマニエルクリーバーが、第117議会下院演説の祈りで「一神教の神、ブラフマー、そして多くの異なる名前で知られている神、A-MEN、A-WOMEM。」と祈っています。つまりアーメンだけでは、「男性」を意味してしまうので、意図的にa womenを付け加えているのです。合同メソジスト派は元々、リベラル神学ですが、もうここまで来ていますね。世界統一教会への道は開かれています。
すでにアメリカでは上院、下院は民主党が優勢です。これで、民主党バイデン氏が大統領となると、全て民主党(トリプル・ブルー)となり、民主党のリベラル政策が通過しやすくなります。そうすると確実にポリコレが進み、アメリカの国のかたちが変わっていくでしょう。
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意味ある人間関係と祈りで広がるキリスト中心のコミュニティ
東京メトロ・コミュニティ
Tokyo Metro Community (TMC)
執筆者:栗原一芳
2 件のコメント:
カズさんの投稿を読んで感じたことなどを書いてみました。ちょっと長くなります。
「キリスト教国アメリカ」と聞いてイメージするものは人によって違うでしょう。私はあまり「キリスト教国アメリカ」と思っていないかもしれません。全ての建国の父祖たちがクリスチャンであったわけでもありません。アメリカのキリスト教には排他性と包含性の二つのベクトルがあると思います。この二つのベクトルの中でバランスを取ってきました。
排他性においては他宗派を認めず魔女裁判までありました。包含性においては移民やリバイバル運動を通して様々な価値観や宗教の共存と一致をみました。その根底にあるのはキリストの弱った者・貧しい者・病んでいる者を大切にし、不信仰な者を糾弾する教えです。
19世紀後半から20世紀初頭においてリベラルとファンダメンタルの論争があり、その後現在では福音派と言われるファンダメンタルよりリベラルなネオ福音派が発生しました。彼らがリバイバル運動を繰り広げる中でそれまでになかったことがおきました。それは政治への接近です。1970年代以降にクリスチャンが政治に声を上げ、政治家がクリスチャンの声を聞いて政治を取るという構図が生まれて行きました。それには政治家はクリスチャンである必要はなくクリスチャンの持つ価値観を具現化することによってクリスチャンの支持を得て、共通の価値観、共通の敵を持つことによって政治と宗教の親和性が増して行きました。
政治に声を上げたクリスチャンたちはそれぞれの聖書理解、神学、終末論を有していました。白黒はっきりしわかりやすくそれに基づく世界観が広く喧伝されました。そして福音派のクリスチャンたちが危機感を持ったのは彼らが大切にする価値観を揺さぶる価値観が表面化していったことです。そのような中で福音派のクリスチャンたちは政治に参戦することが導きだと感じたのでした。
政治に参戦する際に様々な理論武装がなされました。反バチカン、反共産主義、反ERAなど様々です。民衆がわかりやすい白黒はっきりとして理論が好まれ「非聖書的」という特定の聖書理解や神学に基づく言葉が金言となりました。また極端な共産圏による陰謀論も出てきました。そして次第に福音派の中の右派の勢力が強まり左派は分裂・弱小化しました。リベラルなクリスチャンと福音派右派の溝は深まりました。
ポートランドのことを聞いてローマが滅ぶべきして滅んだことを思いました。アメリカという成熟化した社会が世俗化するのは必須です。福音派は減少傾向にあり、移民などにより白人層はマイノリティーとなります。これには歯止めがかかりません。現在では黒人、アジア系、ラテン系の今で排除してきた人たちを取り込むことを励んでいます。アメリカ中心の「キリスト教国アメリカ」の脆弱性を覚えます。
キリスト教的価値観を強要することができなくなった現実があります。ではそれをどう乗り越えていくのか。なぜ子供たちが親たちの信仰を離れていったのか、なぜ教会を離れていったのか、なぜ福音派と呼んでくれるな!というようになったのか、真摯に考えることが必要です。今まで以上にキリストの十字架による救いを喜び、聖霊の力によって生きることの大切さを覚えます。世の光、地の塩としてクリスチャン、教会の使命を覚えます。
今の混沌する現実を直視する時に様々なことを思います。
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